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エムオーテックス ログ管理によりデータを守る

2002/08/26 16:26

週刊BCN 2002年08月26日vol.954掲載

 

電子政府にとって必須に

 賛否両論あるなか住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が動き出した。「誰が、いつ、どのファイルにアクセスしたか、そうした履歴が取れるシステムにすれば、住民の不安は解消できる」と主張するのは、エムオーテックス(MOTEX)の神戸仁取締役営業部長。同社のLanScopeシリーズは、あらゆるログが取れるセキュリティソフト。「自治体からの関心が高まっている。さらに啓蒙に力を入れ、電子政府に必須のソフトしての認知度を高めていく」意向だ。

 神戸取締役によれば、電子データの特徴はコピーが簡単に取れ、コピーされたかどうかすら分からない点だという。

 「パソコンは1人1台の時代になった。その際の盲点は、会社から貸与されているパソコンであっても私物という意識をもつようになる点だ。この私物意識とコピーのしやすさが重なり、さまざまな問題が生まれている」と指摘する。

 「サーバー内の情報は共有財産だという意識はある。しかしコピーして自分のパソコンに落としたら、ローカルディスクの情報は自分のものという意識になってしまう。だからそれを他人に漏らしても罪の意識は感じない。これを直していくことがセキュリティ対策の第一歩」という。

 また、企業内の情報管理も日本企業は甘いという。「サーバーに入っているデータそのものを守るのはどこか。総務部なのか、情報システム部門なのか。情報漏洩が発生した場合の責任体制を明確にしている企業は少ない」という。

 「企業の不祥事が発覚したらユーザーは離れていくので、それなりの対策は取っているだろう。しかし、IT化がようやく始まった自治体はどうか」というのが同氏の懸念だ。

 「住基ネットを皮切りにした電子政府構想によって、膨大な個人データがネットワーク上を流れるようになる。その際に問題になるのは、住民側には選択権がないという点だ。このデータは乗せても良いがこのデータはいやだといった選択は個人レベルではおそらくできなくなる。自治体はそうした情報を預かるので、最低限ログの管理をきちんと行うべき。当社の製品は、データこそ資産だという観点から開発、この資産を守るためにログを取れるようにしている。当社のソフトを導入していれば、誰が、いつ、どのファイルにアクセスしたか、コピーしたかといったすべてのログを取ることができる。個々のパソコンに常駐モジュールを埋め込むので、私的に利用した場合でも分かる」という。
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