デファクトスタンダード狙う

 人間は日々の習慣に支配される――。サイボウズの高須賀宣社長は、「企業内ポータル(EIP)は、一度導入し、習慣化してしまえば、基幹系システムと同様、簡単に入れ替わるものではない」と、先手必勝でシェアを獲ることが安定成長への近道だとの考えを示す。同社の今年度(03年01月期)中間決算は、新製品投入の遅れから、売上高が前年同期比22.9%減の11億1600万円、経常利益は同32.3%減の3億1900万円と前年を大きく割りこんだ。

 EIP製品は、マイクロソフトやIBM、オラクル、プラムツリーソフトウェアなど、十数社のベンダーが開発に熱を入れる分野。この9月にサイボウズが発売したEIP新製品「ガルーン」は、同社が得意とするグループウェアの発展形として開発した。また、従来とは異なり、大塚商会や内田洋行などの販社を通じてのみ販売する。高須賀社長は、「ガルーンの操作性の良さが認められ、これを使うことが“習慣化”すれば、競合他社が容易に入り込めない“参入障壁”をつくることができる」と、EIPのデファクトスタンダード(事実上の業界標準)になることが、重要なポイントだと話す。

 同社は、ウェブを使ったダウンロード販売のみで1400社110万利用者を獲得した実績をもつ。急成長の背景には、安さと使い勝手の良さが“口コミ”で広がったことが大きい。今後も、利用者個人からの支持を得ることで、05年1月期末までに480万人の利用者獲得を目指す。「就業人口約6000万人のうち、企業内ポータルを使うホワイトカラーは約2000万人。当社は、ここ2年余りで24%(480万人)のシェアを獲る。だが、EIP市場は、まだ推定年間100億円程度の小さな規模に過ぎない。既存の基幹系システムやCRM(顧客情報管理)、SFA(営業支援システム)、モバイル(携帯電話やPDA)などとの連携を強めることで、数倍にもインパクトのある商材になる」と予測する。

 高須賀社長は、「日本のEIPの第一歩目を、使い勝手の良さで定評のある当社製品で組んで欲しい」と、売り込みに熱を入れる。通期の見通しは、売上高が前期比4.6%増の27億3900万円、経常利益は同8.2%増の6億7000万円と、前年を若干上回る数値を目指す。