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ピクシス情報技術研究所 .NET対応の業務アプリ開発

2002/10/21 16:32

週刊BCN 2002年10月21日vol.962掲載

中小企業向け市場を狙う

 ピクシス情報技術研究所(吉井秀元社長)は、.NETフレームワーク上で動く業務ソフトの開発に力を入れる。同社はこれまで、ノーツ上で動く業務ソフトの開発が売り上げの大半を占めていた。だが、「中堅・中小企業を中心に.NETフレームワークの採用が進む感触が得られた」(同社)ことから、ノーツ用に独自に開発したSFA(営業支援システム)やCRM(顧客情報管理システム)の.NETフレームワークへの移植を急ぐ。来年度(04年1月期)の売り上げ見込み約10億円のうち、.NETフレームワーク向けのアプリケーションの売り上げ比率が3割に増える見通し。

 .NETフレームワークとは、ウェブサービスを構築する基盤に当たる部分。高度なウェブサービスを安価に構築できる利点がある。ピクシス情報技術研究所では、まずは年内を目途に主力のSFAを.NETフレームワーク向けにつくり直し、その後、.NETプラットフォームの浸透具合を見ながら、既存アプリケーションの作り直しの速度を調節する。

 津福一成取締役営業部長は、「基本的にはノーツと.NETの両方で動くアプリケーションソフトを開発する。しかし、ノーツ向けを主体としたアプリケーションソフトの納入実績は約500社あり、大手企業では利用者数30万人規模のアプリケーションソフトをノーツで構築した実績もあるのに対し、.NETの実績は、まだこれから」と、実績の違いを指摘。

 そのうえで、「ノーツは、大規模利用を前提としたプラットフォームとして今後も残るだろう。一方で、IT投資の規模が大きくない中堅・中小企業向けには、パッケージベースで手軽な.NETプラットフォームへの移行が進むのは確実。今のうちから.NETフレームワークの技術的なノウハウを蓄積し、.NET向けアプリケーションソフトの品揃えの拡充を急ぐ必要がある」と話す。

 つまり、大企業向けには、実績のあるノーツをベースに売り込む一方、中小企業向けには.NETフレームワーク上で動くパッケージ製品を中心に売り込む。

 前者は、大規模での利用が中心となるため、その都度、ソフトウェアのつくり込みが発生し、価格が高くなる。この点、後者はパッケージベースで安く手早く必要なアプリケーションソフトを動かすことができ、中小企業の需要に適している。

「ノーツか.NET系か、いずれ顧客企業の用途や規模によって住み分けが出てくる。この動向によって、開発すべきアプリケーションソフトの方向性も見えてくる」と話す。

 アドレスはhttp://www.pyxis.co.jp/。
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