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オン・ザ・エッヂ ソフト事業で複数ブランド戦略

2002/10/28 16:32

週刊BCN 2002年10月28日vol.963掲載

業務、ゲームなど新分野にも進出へ

 オン・ザ・エッヂ(堀江貴文社長)は、9月30日付で100%子会社化したプロジーグループ(榎本大輔社長)についての戦略を明らかにした。それによると、「プロジーブランドは先進的な商品を好むユーザーに定着し、商品購入の大きな要因となっている」ことから、プロジーブランドは継続させ、オン・ザ・エッヂはソフト事業に進出し、M&Aおよび販売提携により取り扱い製品を拡大していく。「商品を販売するにあたりブランディングは重要。商品ごとに適切なブランドを見極め、商品を販売していく」と商品ごとにブランドを使い分けていく。今後はゲームソフト、業務ソフト、低価格のユーティリティソフトシリーズといった新ジャンルにも進出する計画だ。「現在販売予定商品だけで数十タイトルある。各商品をどういったブランドで出していくのか、年末までに戦略を立てる」見通しだ。

 堀江社長はソフト販売事業について、「日本のソフト利用は、米国に比べて本数が少なく、まだ拡大の余地がある。とくに若年層はダウンロードに抵抗がなくなってきていることから、ネットワークを介したソフト利用が増加していくのではないか」と、ビジネスとして十分に見込みがあるマーケットだとする。

 プロジーについても、昨年度(2002年4月期)売上高は5億4700万円、経常利益5100万円だったが、今年度予測は不採算事業を整理したこともあって売上高10億円、経常利益3億円となっており、「事業を整理したことで売り上げは好調」(プロジーグループ・榎本社長)という。

 今回、プロジーのブランドをそのまま継続するのは、「オン・ザ・エッヂの事業はコンシューマ向けではない。コンシューマ市場をターゲットとしたプロジー製品群を販売していくには、すでにユーザーに浸透しているプロジーブランドが最適であると判断した」(堀江社長)ため。

 今後の戦略としても、CD-R/RWライティングソフトの「neroシリーズ」、CD複製ソフト「CloneCDシリーズ」、動画編集ソフトの「MovieX」など、「プロシューマユーザーのためのブランドとして、先進的なソフトを提供していく」(プロジー・榎本社長)計画だ。

 一方、それ以外にも商品を拡充していく計画で、ゲームソフト、業務ソフトなどの分野への進出も視野に入れている。「そのためにはM&Aは有効な手段」として、他社の買収も検討中だという。

「ゲームについては、年内にどのブランドで発売するのかといった販売戦略を決定、提供していく。業務系については、法人営業を社内にもっているので、コンシューマ以上に可能性があるマーケットだと考えている。中国の公認会計士を活用し、入力などのサービスを低価格で提供するなど新しい手法を取り入れることもできる」(堀江社長)。

 販売方法についても、プロジーでダウンロード販売の実績があがっていることから、ネットワーク経由での販売を増強していく計画で、「自社でダウンロード販売サイトを立ち上げることも検討中」という。
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