日本SGI（和泉法夫社長）は、大規模計算システム「SGI Origin（オリジン）3000シリーズ」の最上位機種として、従来製品に比べ4倍の高密度実装を実現した「Origin 3900」の販売を開始した。価格は1ラック16CPU構成（600MHz、16GBメモリ、I－brick）で6543万7000円から。年間で100システムの販売を目指す。

　「Origin 3900」は、従来モデルが1ラックあたり32CPUを搭載していたのに対し、その4倍となる最大128CPUまでの高密度実装を可能とした。これにより、大規模な並列システムの省スペース化、省電力化を実現すると同時に、1ラックに256GBまでのメモリ実装を可能にし、単一システムとして最大512CPU／1TB（テラバイト）の大規模メモリ共有を実現した。

　一連の性能強化により、従来の大規模データ解析やシミュレーションにおいても、大容量メモリを最大限に利用した高速処理が可能になる。

　このほど第1号機を、東京大学医学研究所（東京都港区）のヒトゲノム解析センターに、ヒトゲノム解析研究用として納入した。同センターでは、膨大な処理が必要なゲノム構造解析分野、DNA情報解析分野などの研究に活用する。同センターの従来機と比べ、3倍の処理性能がある。同システムは、ワールドワイドでみてもSGIにとって「Origin 3900」の第1号案件となる。