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神戸デジタル・ラボ 病院内オーダリングシステムを開発

2002/12/16 16:49

週刊BCN 2002年12月16日vol.970掲載

医療分野へ進出

 神戸デジタル・ラボ(永吉一郎社長)は、病院内オーダリングシステム「NETMEDIC(ネットメディック)」を発売、医療市場に参入した。同社は神戸での事業がメインのオープン系システム開発会社。これまでECサイト構築などのシステム開発と、神戸に多い製造業をターゲットにしたFA(ファクトリーオートメーション)を主な事業領域としてきた。今回、医療分野への進出に向けて「NETMEDIC」を開発、販売を開始した。

 永吉社長は、「医療改革が進めば、中堅規模の病院は淘汰が進む。それを避けるためにはIT化を行い、経営基盤を強化することが不可欠。当社のような新規参入企業にとっても、ビジネスチャンスが拡大する。そこで医療分野に参入することにした」と語る。

 システムはカスタマイズが必要となるため、同社自身がシステム導入を行い、まず今年度に1システムを導入、次年度から導入先の拡大を目指す。

 同社は、1995年に設立したオープン系システム開発会社で、従業員は90人。昨年度(02年9月期)売上高は5億6700万円。株式公開も予定している。

 医療分野への進出は、「本社がある神戸でビジネスを成功させなければ、東京などほかの地域に進出しても成功はできない。そこで地元を中心にしたビジネスを行っているが、売り上げを拡大していくために医療分野への進出を決定した。医療は今後改革が進み、これまでとは大きく市場が変わってくることが予測される。それが当社にとってはビジネスチャンスになると判断、進出を決定した」(永吉社長)という。

 同社が市場調査を行ったところ、「診療ごとの採算といったことがほとんどなされていない。経営基盤を強化していくためには、ITを活用した病院内の収支の明確化が必要になっていくだろう」という。

 そこでNETMEDICを開発、販売を開始した。NETMEDICは、外来患者の受付などの外来業務、電子カルテ、検査のオーダー管理、入院業務の管理などの機能をもっている。操作はマウスだけで行うことも可能。病院が処方する薬などをあらかじめ指定しておくことができる。

 また、すでに何らかのシステムが導入されている場合は、そのシステムと接続することも可能。「オープンシステムの強みを生かし、メーカーを選ばずに各社の医療システムとの接続ができる」という。

 価格はオープン。200床の病院でサーバー1台に10-15台のパソコンを接続したシステムで4000万円からとなっている。
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