自治体向け営業を強化

 日立情報システムズ(高須昭輔社長)は、市町村の合併を機に、自治体シェアを現在の2倍に当たる12%に高める。市町村合併では、各社のシェアが大幅に入れ替わると見られている。同社では、このタイミングで、現在約3300の自治体のうち5%程度だった基幹系システムのシェアの倍増を目指す。2002年12月には、「市町村合併プロジェクト推進本部」を設置し、全国の拠点や組織を横断的に支援することで、営業の効率化を図る。

 同社は、01年4月に市町村合併対応型の電子自治体パッケージソフト「イーアドワールド」を発表。今年7月には基幹システム部分、12月に税金部分がそれぞれ完成した。このパッケージは、マイクロソフト.NET対応のアプリケーションで、設計当初から市町村合併時のスムーズなシステム移行に対応しているのが特徴。合併時に必要なシステム統合に対応でき、電子申請や調達、文書管理など自治体の電子化にも対応できる。

 パッケージ販売以前からの自治体基幹システム「住民情報システム」の顧客数は約160団体で、シェアは約5%。今回のイーアドワールドで、シェアを約2倍の12%に高める。短期間で稼働できるパッケージを駆使することで、合併による混乱をスムーズに乗り切る。.NETに対応したのは、マイクロソフト系の技術者が多いことに加えて、アプリケーションの開発を短期間で終わらせるため。

 イーアドワールドは、すでに、03年4月に合併を予定している熊本県中球磨郡の5つの市町村(合併後は「あさぎり町」)など、合併を予定する3団体から受注を獲得。順調な滑り出しを見せている。02年12月に新設した「市町村合併プロジェクト推進本部」は、イーアドワールドの拡販に徹する。

 武田憲一・ソリューションサービス事業本部公共情報サービス事業部自治体システム本部本部長は、「市町村合併により、05年3月末までに、現在約3300ある市町村は1000-1400程度に減ると予測している。仮に1000市町村に減ったとすれば、最低でも120市町村から基幹システムを獲得し、シェア12%を目指す」と話す。

 現在約160市町村での基幹システム稼働数に比べて、絶対数は減るものの、自治体の数が減ることで、逆にシェアは高まる。見方を変えれば、合併により160市町村の稼働数が120市町村に減少するものの、減少を120市町村程度で食い止めれば、シェアは逆転して拡大。合併をどう切り抜けるかで、シェアが大きく変化する。

 合併する際、競合他社に顧客を奪われるリスクもあるものの、ここ1-2年踏ん張れば、逆に他社顧客を奪える可能性もある。同社は、なんとしてでも減少数を食い止め、他社顧客の開拓を推し進めたいところだ。