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インターネットナンバー 「テルリンク」を5000店に売り込む

2003/02/03 19:12

週刊BCN 2003年02月03日vol.976掲載

 インターネットナンバー(名和正夫社長)が、販売網の開拓に力を入れている。昨年11月には札幌のシーダースコミュニケーションズ(シーダース、高橋歩社長)と提携し、商店街の店舗向けに電話番号とウェブをリンクさせるサービスを始めた。今後1年間で、全国で5000店に同サービスを売り込む。

店舗情報を携帯から呼び出す

 シーダースは、携帯電話向けのウェブを通じて、商店街などの店舗へ顧客を誘導するサービスを提供する札幌のベンチャー企業。インターネットナンバーの電話番号とウェブを結ぶサービス「テルリンク」を使い、携帯電話から簡単に顧客店舗のウェブへ顧客を誘導できる仕組みをつくった。

 高橋社長は、「商店街の情報をウェブに引き出そうと営業をかけてみると、約7割の店が日常的にパソコンを使いこなせないことがわかった。そこで、携帯電話やLモード(iモードの固定電話版)と、インターネットナンバーのテルリンクサービスを使い、サービスの簡略化を図った」と話す。

 店のオーナーは、携帯電話かLモードさえあれば、店舗のウェブを更新・管理できる。一方、顧客は電話番号を携帯電話に打ち込めば、簡単にその店のウェブを参照できる。商店街の店舗のほとんどの情報をウェブ上に引き出せ、なおかつアルファベットのアドレスを入力する手間が省けて、集客力が高まるという仕組みだ。店舗の利用料は、月額3000円から。

 インターネットナンバーの名和社長は、「“番号(ナンバー)”の価値を高めるには、シーダースが展開するような付加価値サービスが欠かせない。今後とも、こうした仕組みやソリューションをもつサービス事業者と積極的に提携関係を築く」と話す。

 また、「同じ“番号(電話番号)”を商売道具にするNTTの“電話帳”の広告収入が年間約2000億円ある。この金額は、実際に電話番号を掲載している企業の1割が広告出稿しているに過ぎない。電話番号とは、それだけの集客力があるという証だ」(名和社長)と、テルリンク市場の大きさを予測する。

 インターネットナンバーは、これまでリクルート系の情報誌など15社80種類の雑誌媒体に売り込み、知名度を高めた。今後は、サービス事業者と具体的な提携を進めることで、ナンバーの価値向上に努める。

 今年度(2003年3月期)の売り上げは3億5000万円で、ほぼ前年度並み。番号の用途を具体的に示せなかったことから、売り上げが伸び悩んだ。今年度は販売網となる提携相手を広げることで、売上伸張を図る。
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