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アルゴ21 「V字回復」目指し責任体制強化

2003/02/24 19:12

週刊BCN 2003年02月24日vol.979掲載

中国の開発パワーも活用

 システムインテグレータのアルゴ21(大岡正明社長)は2002年度(03年3月期)の通期業績予想を下方修正した。一方で、03年度の「V字回復」を目指し、(1)業績の責任体制強化に向けた組織の簡素化・フラット化、(2)システム開発の生産性向上と不採算案件防止策の徹底、(3)価格対応力の強化、(4)販売管理費の削減――などに力を入れる方針を示した。同社によれば、昨年後半から受注が伸び悩み、例年は年度末需要で繁忙期のはずの第4四半期も回復が見込めず、下方修正に踏み切った。

 同社の02年度の通期業績予想は、中間期決算時に公表していた数字より、単独ベースで売上高が13億円減額の215億円、経常利益は7億円減額の3億円、当期純損益は5億円減額の2億3000万円の赤字になる見通し。

 主力であるシステム開発の受注が第3四半期で大幅に落ち込み、第4四半期の見通しも厳しいという。注力してきた中堅企業向けでは、IT投資の絞り込みが続きビジネスが低調に推移。第4四半期の回復も望めないなど、減額修正を余儀なくされた。

 大岡社長は「通常なら繁忙期となる第4四半期だが、今年度は厳しい。お客様からのコストダウン要請も増えた。経常利益3億円は何とか死守すべく全力を挙げていく」と語った。さらに、来年度の「V字回復」を目指して組織の簡素化などを実施する。

 現在は、統括事業本部に7本部制を敷いているが、SI事業部門、プロダクト&ソリューション事業部門の2本部に集約し、「組織の簡素化・フラット化で意思決定のスピード化と、業績に対する責任体制の明確化を図る」方針を打ち出した。

 システム開発の生産性向上では、「当社独自の基幹業務プロセス(AOP)の適用拡大、プロジェクトマネジメント強化のための人材育成」に力を入れる。不採算案件防止では「残念ながらまだ根絶できていない。社長主導のリスクボードを毎週開催するなどで、リスクマネジメントの徹底を図る」方針だ。

 価格対応力の強化では、「若手SE(システムエンジニア)の早期戦力化、外注管理の徹底による外注費削減、中国の開発パワーの活用」などを図る。

 中国での開発は、02年度は150人/月だったが、新年度は400-500人/月に増やす。韓国の若手技術者20人も採用するなど、国際化を進める中でコスト削減を図る。
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