ニュース

NTT-X ポータル事業「goo」を刷新

2003/02/24 19:12

週刊BCN 2003年02月24日vol.979掲載

BB対応の広告枠増で収益向上

 NTT-Xの中嶋孝夫社長は、来年度(2004年3月期)に20%成長を目指す考えだ。まず4月から全社売上の4割を占めるポータル事業「goo(グー)」を刷新する。検索機能を強化すると同時に、ブロードバンド対応の広告枠を増やすなど収益力を高める。また、ダイワボウ情報システムなどと提携して運営するNTT-Xストアの売り上げを2倍に増やす計画。

 今年度(03年3月期)の売り上げは、前年度並みの約140億円に落ち着く見込み。昨年度(02年3月期)が、前年度比20%増で成長したのに対し、今年度は伸びが鈍化した。広告出稿の伸び悩みによりgooの広告収益が落ちたことが主な理由で、4月のリニューアルでは、ブロードバンド向け広告枠を拡充するなど、広告主の出稿意欲を喚起するメニューの増大に力を入れる。来年度(04年3月期)は、再び20%の成長を目指す。

 中嶋社長は、「昨年6月に社長に就任し、初年度でいきなりゼロ成長で厳しい見通しとなった。再び2割成長に戻し、来年度170億円、再来年度(05年3月期)200億円を目指す。2割成長を続けるには、マルチメディア型の広告枠が欠かせない。検索機能やコミュニティ機能の充実で利用者を増やし、広告効果を高める」と意気込む。

 NTT-Xの売上構成比は、goo関連が4割、eラーニングが2割、その他システム構築などが4割を占める。goo関連の売り上げのうち、広告出稿で稼ぐ比率はまだ半分に達していない。来年度は広告の売上比率を高めることで、全体の底上げを狙う。goo自体は装置産業で、一度投資すれば安定的に収益を生み出す。広告の収益比率が少ないと、投資の回収が遅れる。その反面、広告収益が伸びれば、投資対効果が良いビジネスモデルを築ける。

 一方、物販のNTT-Xストアは、昨年の年末商戦期に月間で1億5000万円を売り上げるなど拡大傾向にある。来年度中には月商ベースで3億円に増やす。

 家庭からのネット利用者全体に占めるブロードバンド接続比率はすでに4割を超えていると言われ、この常時接続環境がgooで「調べもの」をする機会を増やし、広告露出度の向上や、NTT-Xストアの販売機会を増やすものと予測する。

 当面の課題は、法人向けのgoo機能の販売だ。「グループウェアなどに組み込むポータル的な切り口では、企業の投資対効果を具体的な数値で示せない。ROI(投資利益率)を具体的に示せるgoo機能の販売モデルを早期に確立する必要がある」(中嶋社長)と話す。
  • 1