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JBCC Linux向けの技術センター開設へ

2003/03/10 19:14

週刊BCN 2003年03月10日vol.981掲載

ウィンドウズサーバー2003と両面作戦

 日本ビジネスコンピューター(JBCC)は、今年4月を目途に「リナックス技術センター」(仮称)を開設する。また、マイクロソフトのウィンドウズサーバー2003の製品化と前後して、サーバー2003に対応した技術センターも併せて開設する。ウィンドウズサーバー2003は5月を目途に製品化される見込みで、JBCCではLinuxとウィンドウズサーバー2003の両方の技術者をほぼ同時期に集約化する計画だ。これまでは、Linuxやウィンドウズ系の技術者が各部門に分散していたため、統合的な力を発揮しにくかった。

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)系のJBCCにとって主力システムとは、日本IBM製の統合アプリケーションサーバー「iシリーズ(旧AS/400)」およびJava系のプラットフォームだ。だが、少ない初期投資を望む顧客や、JBCCと販売契約を結ぶ約250社の二次販社は、ウィンドウズやLinuxを使った小規模案件が中心。「リナックス技術センター」(仮称)は、こうした中小案件の競争力強化を目的に開設する。

 仲西椙夫・取締役常務執行役員マーケティング兼アライアンス担当()は、「Linuxに関して、JBCC独自のサービス体系や技術体系を構築することで他社との差別化を図る。Linuxに対する需要と期待は大きい」と話す。しかし一方で、「ウィンドウズサーバー2003の製品が出てきたタイミングで、Linuxと同様の技術センターをつくる。競合他社はウィンドウズサーバー2003で提案してくるわけで、そうなったときに、こちら側も同製品で対抗する必要がある」と、Linuxとウィンドウズサーバー2003の双方の技術力の集約を図る。

 JBCCおよび二次販社が、Linuxとウィンドウズのどちらの要望でも対応できるよう、両製品の技術力の強化を進める。JBCCの年商870億円(2003年3月期見込み)のうち、二次販社向けの売上高は約100億円になる見通し。来年度(04年3月期)はこれを140億円に増やす計画だ。このためには、基幹系システム中心のiシリーズより、小回りが利いて二次販社の得意分野とも合致したウィンドウズやLinuxのプラットフォーム上での支援を拡充する必要がある。

 「二次販社が得意とするパソコンサーバー領域の伸張を図るには、ウィンドウズとLinuxのプラットフォーム上でのアプリケーションを拡充するのが近道。中小規模のパソコンサーバーの商戦では、ウィンドウズとLinuxの両方に強くなることが肝心。また、自社内の技術センターで努力するだけでなく、この両方で強い企業と積極的に提携を結ぶ」と、ウィンドウズサーバー2003およびLinux分野での提携戦略にも意欲を示す。
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外部リンク

日本ビジネスコンピューター=http://www.jbcc.co.jp/