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大塚商会 Winサーバー2003で自社のシステム構築へ

2003/03/17 19:14

週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載

約2700人のSEに研修を実施

 大塚商会(大塚裕司社長)が、ウィンドウズサーバー2003(以下、サーバー2003)の拡販に本腰を入れ始めた。まず手始めとして、サーバー2003の発売直後の5月を目途に、アクティブディレクトリ(利用者管理システム)と、サーバー2003上で稼働するアバイア製のユニファイドメッセージを大塚商会の本社部門約1500人を対象に導入する。その後、支社営業所や関連会社などの約7400人を対象に、順次利用できる人数を増やす。サーバー2003を使った大規模な情報系システムの構築実績を自ら示すことで、6月以降に関連商材の拡販を狙う。

 アクティブディレクトリやユニファイドメッセージは、ソフト開発子会社のオーエスケイ(原田要市社長)が開発した企業内ポータル「イージーポータル」と組み合わせて使う。

 これにより、ウェブブラウザ内に表示するイージーポータルの画面から、利用者の検索や、ユニファイドメッセージの送受信ができる。ブラウザを使うため、本社や支店営業所を問わず、どこからでも社員個人宛の情報を出し入れできる。

 アクティブディレクトリとは、「社員簿」とも訳され、社内の組織階層を区別したり、名前からメールアドレスを検索するなど住所録代わりとしても使える仕組み。

 一方、ユニファイドメッセージとは、社員1人ひとりの(1)音声、(2)電子メール、(3)FAXを統合的に管理するシステムで、統合メッセージサービスとも言われる。

 今回の統合メッセージの初期導入コストは推定1億円前後と見られる。

 すでに、サーバー2003のベータ版(試作版)上でシステムの構築を進めており、サーバー2003の完成版の販売開始から1か月以内に本格稼働できるという。大塚商会では、「2002年9月から統合メッセージシステムの投資対効果の調査をしており、稼働から13か月で投資に見合った効果が得られる」と期待する。

 サーバー2003関連の人材教育にも力を入れる。同社の約2700人のSE(システムエンジニア)は、サーバー2003が発売される5月までにサーバー2003関連の研修を終える。

 さらに技術者のなかから50人を選抜し、より専門的なサーバー2003関連の教育をマイクロソフトに依頼する意向だ。

 これを4月から6月にかけて実施し、この50人をサーバー2003導入のコンサルタントとして、全国の営業拠点に1、2人配置する。

 山口雄二・マーケティング本部次長は、「今年5月のサーバー2003の発売までに、営業、SEともに万全の体制を整える。これにより、ウィンドウズNTサーバーなど旧製品からの更新や、新規需要などを取り込み、サーバー2003の拡販につなげる」と、意気盛んだ。
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