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ディアイティ 11aと11g規格合わせた無線LANを発売へ

2003/03/24 19:14

週刊BCN 2003年03月24日vol.983掲載

7月、プロキシム製品を代理販売

 ディアイティ(下村正洋社長)は7月をめどに、IEEE802.11aと同11g規格を組み合わせた「ダブルバンド」の無線LANを発売する。米プロキシム社の無線LAN製品を国内で代理販売するもので、システム販社などを通じ、主に法人顧客に向けて販売する。プロキシム製の新製品としては、3月から11a規格の無線LAN製品を投入しており、5月をめどに11g規格の製品も販売を始める。

 同社は今年度(2003年9月期)、無線LANアクセスポイントの販売台数を約7000台と見込んでいる。これに対し、来年度(04年9月期)は、約2倍の1万3000台の販売に向け意欲を示す。無線LAN製品が安くなり、導入しやすくなったことに加え、11aと11g規格を組み合わせた「ダブルバンド」など、使い勝手の良い製品が揃うことなどが理由だ。

 下村社長は、「無線LANは、すべての企業が購入するという性質のものではなく、必要に迫られた特定の企業が購入する。従って、企業ではここ2年以内に購入が進む。その後は飛躍的な伸張を期待できない。ダブルバンドを製品化するタイミングもあり、この1-2年が勝負」と話す。

 同社の今年度の売上見込み17億円のうち、無線LAN製品の構成比は約3割で、その他6割がセキュリティを中心としたネットワーク製品などが占める。

 下村社長は、セキュリティや互換性などを検証する日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の事務局長を務めるなど、セキュリティ関連にも力を入れており、無線LANでもセキュリティを重視した構成にする。

 来年度は、ダブルバンド無線LAN製品などの品揃えが増えることなどから、前年度比で約20%増の20億円の売り上げを目指す。一方で、製品単価の下落や従来の11aや11g規格単体の製品販売が落ち込むことが予測できることから、セキュリティなど付加価値部分の向上を図る。

 11a規格は5ギガヘルツ帯、11g規格は2.4ギガヘルツ帯を使う無線LAN。電波特性の違いや、従来の11b規格との互換性などから、2つの周波数帯を組み合わせた「ダブルバンド」製品が、今後の主流になるものと見られる。
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