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イージーシステムズジャパン コンテンツ管理ソフトで売上倍増へ

2003/03/31 19:14

週刊BCN 2003年03月31日vol.984掲載

 イージーシステムズジャパン(澁谷紳一郎社長)は、コンテンツ管理ソフトの販売強化で、売上倍増を図る。これまではパソコン用記録型DVDの書き込みソフトなどの売り上げが全体の8割を占めていた。だが、パソコン市場は値下げ感が強く、持続的な成長は難しいと判断。

パッケージ販売中心で

 イージーシステムズジャパン(澁谷紳一郎社長)は、コンテンツ管理ソフトの販売強化で、売上倍増を図る。これまではパソコン用記録型DVDの書き込みソフトなどの売り上げが全体の8割を占めていた。だが、パソコン市場は値下げ感が強く、持続的な成長は難しいと判断。企業向けのコンテンツ管理ソフト事業を本格的に立ち上げる。今年度(2003年9月期)の売上高は前年度比約10%増の15億円弱を見込んでいるが、3年後の06年9月期には同事業の成長によって2倍の30億円を目指す。

 この3年間、第三者割当増資などで得た約5億円をコンテンツ管理ソフトの開発に投資した。手持ち資金の半分に相当する額だ。昨年3月に自社開発した著作権管理ソフトの「イージーライツ」を発売したのに続き、同7月には機密文書の漏洩を防ぐ文書管理ソフト「イージーセキュアドキュメント」を製品化した。開発の効率化を図るため、文書管理ソフト以降は、韓国サムスン系ソフト開発会社のファスー社(社員約30人)と共同で開発した。4月21日には、電子メールに添付する文書や画像の閲覧、印刷などを制限するコンテンツ管理ソフト「ラプソディ」を発売し、5月にはウェブ上のコンテンツを複製できないようにするソフト「イージーセキュアウェブ」の販売を始める。

 これらのコンテンツ管理ソフトは、基本的にパッケージでの販売が中心となる。だが、これとは別に、「ラプソディ」の販売を始めたあとの6月からは、企業向けのシステム構築案件の受注を新しく行う。企業市場開拓の推進役となる一次代理店は、ソフトバンクBBやネットマークス、日立情報システムズなど5、6社になる見込み。また、コンテンツ管理ソフトに関連する企業向けの新規システム開発の受注も始める。代理店(SI)が受注したシステムの受託開発もこれに含める。しかし、同社社員の約70人だけでは、これらのシステム開発案件を消化しきれないため、4月から中国・北京にある社員200人規模のソフト開発会社と新たに提携し、開発能力の拡大を図る。

 澁谷社長は、「コンテンツ管理ソフトの共同開発会社である韓国のファスー社では、国内より一足早く受注を増やした。韓国の政府機関や自治体、大手企業などでは企業(団体)内に流通するワープロや表計算の文書の漏洩防止への投資を始めている。似たような製品を出す競合他社も現れ、シェア争いが加熱している。日本国内でも、ここ1、2年で一気に市場が拡大する」と話す。コンテンツ管理ソフト群の販路については、(1)相手先ブランドでの販売(OEM)、(2)システム販社やネットワーク機器ベンダー、ウイルス駆除ソフトベンダーなどの製品に同梱して販売する、(3)直接販売する――など。「必要とあれば、価格を下げてでも、シェアと業界標準の地位を獲る」と強調する。
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