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アイログ パッケージソフトの直販体制を再構築

2003/04/07 19:17

週刊BCN 2003年04月07日vol.985掲載

地場のソフト会社と協業で

 仏系パッケージソフト販売のアイログ(ブンタラ・イング社長)は、日本各地にある地場のソフト会社と協業し、自社パッケージソフトの直販体制を再構築する。昨年10月から半年間で、開発パートナーとなる中堅・中小ソフト5社を集め、10社の大企業に対して4月から直販営業を始めた。今後はパートナーを10社に増やし、9月末までに売り上げの10-20%を直販で占める計画だ。

 アイログの日本法人は1997年の設立以来、伊藤忠テクノサイエンスやNTTデータ、新日鉄ソリューションズ、NECなど、大手システムプロバイダと提携。大企業を中心に国内約200社に自社のパッケージソフトを納入してきた。主力製品は「ビジネスルール管理」で、通信や金融事業者向けに販売を拡大している。

 だが、高度で複雑なビジネスルール管理システムの販売をシステムプロバイダだけに依存したままでは「持続的な成長は難しい」と判断、自前で顧客企業のトップに営業を行っていた。

 ところが、日本法人の社員数は23人と少ないため、納入に当たってのシステム構築部分やサポートに対処できない。このため、地場の中堅・中小ソフトハウスと提携し、この不足部分を埋め合わせる。

 同社の今年度上期(02年7-12月)の世界での売り上げは、前年同期比約7%増の約4100万ドル(約50億円)と増えたものの、営業損益が約150万ドル(約1億8000万円)の赤字に陥った。これについて和多田茂セールスマネージャーは、「直販の方針は、世界的な戦略の一環。間接販売からの転換期という影響もある」と話す。

 ソフト開発会社の後方支援を得ながら直販を立ち上げると同時に、OEM(相手先ブランドによる生産)の比率を減らした。3年前の00年6月期では、売上高のうち7割近くがNECなどのベンダーに対するOEMが占め、直近ではそれを2割までに減らした。

 ジョエル・ゲイ・マーケティング&アライアンスマネージャーは、「製品特性上、情報担当役員級のトップに直接営業をかける必要がある」と、OEMや間接販売だけでは不足だと話す。

 ビジネスルール管理とは、たとえば通信事業者などで、販促割引や家族割引、地域割引など複雑に絡み合った料金コースを踏まえた上で、顧客の契約内容にもとづく正しい請求金額を瞬時に割り出す時に使うソフトウェア。顧客ごとの請求金額の計算が複雑な金融商品に適用する事例も多い。
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