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オーシャンコマース 集荷目録の事前申請をウェブ上で実施 海運向けにサービス開始
2003/04/28 19:17
週刊BCN 2003年04月28日vol.988掲載
情報サービスの第1弾としては、すでに北米向け集荷目録(マニフェスト)をウェブ上で申告する情報サービス「インポート2000」を2月から開始した。これは、コンテナ船を対象に「船積みする24時間前までに米国税関に集荷目録を事前申告する」(24時間ルール)という新ルールに対応した。事前申告は昨年12月に施行され、2月から罰則規定が設けられ本格的な運用に入った。
同ルールは、税関への申告と同時に、FBI(連邦捜査局)、沿岸警備隊、国土安全保安省(9.11テロ事件後設立された政府機関)の3機関にも申告する義務がある。
しかし、同ルールに対応するには、米国税関と直結した専用線や大型コンピュータなど、億単位の投資が必要になる。
大規模な船会社はサーバーや専用線設備をもっているものの、全国約370社ある他社の船舶を利用して海運サービスを提供する外航貨物利用運送事業者(船舶を保有していない海運会社)の大半は、このような設備をもたない。
同社では、インターネット技術を使いウェブブラウザ上で税関と3機関に申告する情報サービス「インポート2000」の国内代理販売を2月から本格的に始めた。申告1回170円のASP(情報サービスの期間貸し)方式で、米国の海運情報サービス大手のFCS社が開発した。
当面は、外航貨物利用運送事業者のうち、北米航路に力を入れている約30社に売り込む。契約数は、見込みも含めすでに約13社に上る。
中川社長は、「今は対米輸出のコンテナ船だけがテロ対策規則の対象だが、カナダが同様の規則の採用を決めており、欧州各国にも広がりそうだ。また、コンテナ船以外も対象になる可能性が高い。そうなれば、こうしたセキュリティ対策に欠かせない情報サービスの利用が一気に進む」と話す。
米国では、マニフェストを船積み前に電子的に集め、送り主や受取人、荷物の明細を半自動的に分析する情報システムを開発しているという。中川社長は、「米国に向かう船に貨物を積む前に不審物を排除するのが目的。送り主や受取人などが、テロの疑いがある人物と少しでも関係があるかどうかを瞬時に割り出せる」としている。
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