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BHA 超圧縮技術「XVD」を普及へ CD-R1枚に2時間の高画質動画

2003/05/12 19:20

週刊BCN 2003年05月12日vol.989掲載

 ビー・エイチ・エー(BHA、吉原正治社長)は、音声と画像の新しい圧縮技術「XVD(eXtended-play Video Disc)」を発表した。開発元の米デジタルストリームに資本参加、特許、著作権の共同所有者になると共に、アイ・オー・データ機器など賛同企業と共に、デファクトスタンダード作りに乗り出す。高圧縮と高品質を実現する技術を巡っては、世界中で激しい開発競争が展開されている。吉原社長は、「CD-R1枚にDVD画質の動画2時間分を記録できる。動画配信の世界にも革命的変化をもたらすはず」として、普及に強い自信を示す。

 現在、圧縮技術としては、MPEG-2/4を代表に、音声、画像の世界でさまざまな技術が登場している。今回のXVDは、MPEG系とはまったく異なる技術を採用し、高速・高密度への圧縮に成功、解凍用ソフトは不要になっている。

 DVDと同じ品質の画像をMPEG-2に比べ6分の1から7分の1にあたる850-1500Kbpsという高速で圧縮、データサイズも約7分の1と小さい。

 この結果、CD-R1枚にDVDクォリティで約2時間の動画を収録できる。DVDメディアならS-VHSクォリティで約20時間収録できるという。

 音声圧縮も独自技術で行い、CD音質のオーディオを64Kbpsというビットレートで実現、MP3に比べて約半分のサイズで済むようにした。

 携帯電話などでの用途が考えられる96×64ピクセルから、ハイビジョンクォリティが可能な1920×1080ピクセルまでの解像度に対応している。

 吉原社長は、「動画配信は当たり前になり、いまのテーマはその動画をいかに高画質、高音質で扱うかに移っている。それに最適な技術がXVDだ」と強調した。

 また、アイ・オー・データ機器(細野昭雄社長)は、XVDを採用した超圧縮XVDキャプチャボード「GV-XVD/PCI」を開発、3万7000円で発売する。

 ハードウェア上のチップでXVD変換・圧縮を行うため、パソコンに負担をかけず、短時間で処理が行える。

 MPEG-1/2、AVI、WMVなどの映像データ、MP3やWMA、WAVEなどの音声データをXVD形式に簡単にエンコードできる。

 また、同社オリジナルのリアルタイムキャプチャソフト「I-O DATA XVD Recorder」を標準添付。入力端子(S端子入力・コンポジットビデオ入力端子・オーディオ入力端子)を経由して外部から映像・音声を取り込みながらXVD形式でリアルタイム圧縮を行うことができる。
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