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ウチダスペクトラム コンテンツ配信・管理を事業化
2003/05/26 19:20
週刊BCN 2003年05月26日vol.991掲載
初年度10億円を見込む
内田洋行グループのウチダスペクトラム(町田潔社長)は、デジタルコンテンツの配信や管理をウェブサービスで提供する技術「SMART/e-Business Platform(EBP)」を開発し、これを使った新規サービス事業を6月から順次開始する。同事業では、初年度(2004年7月期)の売上高を10億円と見込み、同社主力のソフトウェアライセンス販売などと合わせ、同年度で会社全体の売上規模を100億円に成長させる方針だ。同事業ではコンテンツプロバイダやインターネットサービスプロバイダー(ISP)などを対象にコンテンツの収集や配信、課金までをASP方式で提供するほか、ホスティング方式によるコンテンツ配信・管理事業も展開する。また、企業が高度なコンテンツを利用するプラットフォームをカスタムメードする受託開発も行う。
新たに開発したEBPは、マイクロソフトの.NETフレームワークを採用。ワードやPDF、HTMLなど200種類以上のコンテンツをXMLに変換し、カテゴライズをした上で「SMART/META」と呼ぶタグを付ける。これにより、ジャンルを絞った配信や特定のキーワードによるクリッピングが可能になる。
EBPは、各機能が独立した12のコンポーネントで構成される。コンポーネントは、送受信やカテゴライズ、高機能検索、課金請求、認証、ユーザー管理などに分かれ、プラットフォームを利用する企業のビジネス形態に応じて、これらの機能を組み合わせ独自のシステムを構築できる。
コンテンツ配信で生じる課金については、購買や請求書決済など、企業特有の課金処理に対応して400以上の課金パターンを用意した。
今回のシステム開発では、テクノロジーパートナーとして米エムファシスとの協業でプラットフォームを構築。また、検索エンジンはグーグルに匹敵するというノルウェーのファストサーチ&トランスファーの「FAST Data Search3.2(ファストデータサーチ3.2)」を採用し、社内外に散在する膨大なデータの高速収集が可能だという。
同社ではASPとホスティングサービスを6月から、コンテンツポータルとカスタムメードの両サービスを8月から提供する。
町田社長は、「この事業は99年、オフィスワーカーのナレッジマネジメントを支援する有効な手段として構想。01年3月にはビジネスモデル特許も出願した。内田洋行の販売網を通じ拡販するほか、当社独自に直販も行う」と、大幅な事業拡大に取り組む。
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