初年度2億円の売り上げ目指す

 システム開発の受託サービスなどを手掛けるビートック(堀口大典社長)は、中国・大連市に現地法人「大連畢特科信息技術有限公司」(大連ビートック)を設立し、業務を本格的に開始した。主に日本国内や中国の日本法人からIT業務やソフト開発などを受託して、中国にある同社のパートナー企業10社にアウトソーシングする「オフショア開発」を行い、初年度2億円の売り上げを目指す。

 同社は昨年11月、大手ゲームソフト会社コーエーの常務取締役だった堀口社長らが設立。大連ビートックは当初、「中国オフショア開発」の経験があり日本在住10年の駱承偉取締役副社長を代表に5人で開始し、年内にSE(システエンジニア)30人を現地採用する。事務所は大連市のハイテク産業パーク内に設立した。日本国内外の中堅・中小企業からIT業務や間接業務を受託し、品質保証契約にもとづき品質と納期を保証した上で、中国の北京や上海、大連、香港などにあるIT開発資源をもつベンダーにアウトソーシングする。

 具体的には、ウェブやERP(基幹業務システム)構築など「オフショア・アプリケーション開発」、OSやデータベースなどの「メンテナンス」、顧客専属の開発チームを3週間以内に中国で設置する「オフショア・カスタム・メイド開発センター」、中国進出の日本企業にヘルプデスクなどを提供する「現地ITサポート・サービス」、事務系のサポートを行う「バックオフィス業務委託サービス」――など、幅広い事業を展開する計画だ。同社の日本人スタッフがプロジェクトマネージャーとなり開発工程を管理するため、日本企業などが中国企業に直接発注するのに比べ、安定した開発が可能だ。同社によると、日本に比べ人件費が安く、顧客のIT投資コストを約30%削減できるという。

 大連市は、ここ数年で日本企業が3000社近く進出するなど、ハイテク産業の中心地として成長。中国で最大規模のソフト人材養成学院も設置されたほか、日本語教育も盛んで、人材を発掘しやすい環境にある。堀口社長は、「中国のオフショア開発に対して、日本企業は依然として“食わず嫌い”な面がある。ただ、中国の技術力や信頼性は高く、品質を落とさず低価格でIT開発ができる条件は整備されている」と強調する。大連ビートックは、中国現地拠点向けITサービスを拡充する富士通の有力パートナーであるミツイワ(新村喜弘社長)と包括的な契約で合意。両社は、ミツイワの顧客向けに現地情報システム部門のアウトソーシング先としての機能を提供する。