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レッドフォックス SI内定者向け教育事業を開始 入社前3か月間で開発者を育成

2003/06/23 19:23

週刊BCN 2003年06月23日vol.995掲載

 オープン系システム開発のレッドフォックス(別所宏恭社長)は、SI(システムインテグレータ)企業や情報システム部門に内定した新卒者を対象に「入社前研修請負サービス」事業を7月から開始する。ウェブ系アプリケーション開発者を入社前3か月間で育成し、IT技術者教育に悩む企業を支援する。

 同社は金融系システム開発で実績を上げており、同事業などを足がかりに財務基盤を強化し、より規模の大きいシステム開発に事業を拡大するほか、数年後にはIT人材育成の専門学校を設立する予定だ。

 今回のサービスは、同社が1989年に発足した当初から続けてきた短期間で優秀なIT人材を育成する社内プログラム「RELEASE(リリース)」を外部者向けに再構築。今年7月から来年1月まで毎月1コース20人を募集し、計140人の即戦力を育成する。

 新入社員向け技術研修カリキュラムのあり方に悩むSI企業などから内定者の教育を請け負う。

 カリキュラムは、講義やeラーニング、パソコンを使った演習、評価テストなど80時間。3か月を3ステップに分け、最初の1か月間では、SI業界の現状や必要なスキルに関する講義のあと、C言語と構造化チャートPAD(構造化フローチャート)を用いたプログラミングの基礎を教える。

 2か月目は、UNIX、データベース、Java言語、オブジェクト指向を通じ、システム開発の基礎を学ぶ。最後の1か月間は「即戦力養成期間」として、実際にウェブ系Javaアプリケーションを1人で構築する。

 講義や研修は基本的に同社の研修ルームで行うが、一部は自宅パソコンでのeラーニング受講も可能。ウェブベースの学習管理システムを用意しており、学習の進捗や成績管理、メールによる質問応答、学習スケジュール管理、成績通知などを自宅パソコンから確認できる。受講料は1人60万円。

 同事業を担当する遠矢行史・プロジェクト統括&教育事業部部長は、「不景気の影響で、急激に進化するプログラミング環境の実態に合ったIT人材向け技術研修カリキュラムを組むことが難しくなっている。このサービスは、新卒者向けに実績を上げているノウハウを生かし、わが社のSE(システムエンジニア)がチューターとして支援する。SI企業の人材育成コストを削減する効果もある」と強調する。

 一方、従業員約100人の同社は、今回の事業を含め財務基盤の強化を図っていく。01年度(02年6月期)の売上高は4億6200万円で、今年度は前年度比約10%増の成長が確実となった。

 会社設立時に策定した10か年計画によると、08年度までに従業員を現在の10倍の1000人に増員、年商300億円の規模にする計画。
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