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ブロケードコミュニケーションズシステムズ 産業別ソリューションを拡充 日本ストレージ・メディアと提携

2003/06/23 19:23

週刊BCN 2003年06月23日vol.995掲載

 ブロケードコミュニケーションズシステムズ(松島努社長)は、今年の新たな取り組みとして、医療や放送など特定産業に注力した営業活動を進める。松島社長は、「昨年下期あたりから、部門ごとに導入されていたSAN(ストレージエリアネットワーク)を全社で統合的に管理し、TCO(システム総保有コスト)削減につなげるユーザーが増加している」と分析。こうした動きを支援するため、「今年は新たに産業別ソリューションを拡充し、システムインテグレータのビジネスを支援する」方針だ。すでにその第一弾として、日本ストレージ・メディアと提携し、医療分野向けソリューションの提供を発表しており、産業ソリューションをもつパートナーと協業を進めていく。

 ブロケードコミュニケーションズシステムズは、SAN向けファイバチャネルスイッチの開発、販売を行っている。

 「不況下にもかかわらず、売上金額は前年比40%増と好調に推移している。ただし、ファイバーチャネルスイッチの売り上げは、台数に比べ、金額の比率が低くなってきた。これは、ユーザーからの値下げ要求が強まっていることに加え、SANの活用方法がこれまでのポート拡張から、空いているSANの有効活用へと、使い方が変化してきているため」(松島社長)と語る。

 さらに、「コスト面での効率アップのためにSANを活用するというニーズがようやく出てきた。今後2年間は引き続きSAN市場の伸びが続くのではないか」との見通しを示す。

 そこで、産業別ソリューションの拡充を今年の新たなビジネスにする。

 昨年は、「マルチベンダー環境でのSAN導入にはシステムインテグレータとの協業が必要」として、パートナーを中心に認定技術者の数を1年間で200人にまで増強した。

 この協業をさらに強め、産業別ソリューションの拡充を図る。

 まず、6月2日付で、医療分野で実績をもつ日本ストレージ・メディアと提携した。

 ブロケード側では医療分野向け販売を「産業別展開の第一段階」と位置づけている。

 医療分野では、X線、MRI(磁気共鳴映像)、CT(コンピュータ断層撮影)など画像を使った診療が多いことから、機器ごとにSANが導入されてきた。

 しかし各機器が連動して使われていないため、効率が悪いといった弊害が生まれている。「医療現場では、1人の患者についてすべての情報をまとめて見たいというニーズがある。そこで、アイランド化したSANを統合するニーズが生まれている」(松島社長)という。

 今後は放送など、ニーズがある産業を掘り起こし、ソリューションづくりを進めていく。
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