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アイ・オー・データ機器 産官学連携で新型RAID開発 セキュリティを大幅に強化

2003/07/07 19:28

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

 アイ・オー・データ機器(細野昭雄社長)は、外部からの書き換えが事実上不可能なRAID(記憶装置)を7月下旬から販売する。このRAIDをウェブサーバーなどに適用すると、外部からの不正アクセス(情報の不正な書き換え)を、ほぼ完全に防御できるという。内部からは、これまで通り情報の書き換えが可能。

 具体的には、RAIDに2つの接続ポートをつくり、一方は読み出しのみにアクセスを限定し、もう一方は書き換えができる構造にした。ハードディスク装置(HDD)は汎用品を使うものの、同社が開発した“2ポートを制御する専用RAIDコントローラー”により、「閲覧のみで、書き換えが事実上不可能なポート」をつくりだすことに成功した。汎用HDDを使うことでコストを抑えた。

 この製品は、文部科学省の「02年度、産学官連携イノベーション創出事業費補助金、独創的革新技術開発研究提案、公募制度」の採択を受けた研究をもとに開発・製品化した。また、慶応大学環境情報学部の武藤佳恭教授の協力を得た。7月下旬に製品化する2ポートRAIDは、2台のHDDしか接続できないが、今秋には接続可能台数を4台まで増やす。

 今年3月、同RAIDの開発分野で慶応大学SFC研究所研究員となった平野義久・ネットワークソリューション事業部ソリューション開発部企画マーケティンググループマネージャーは、「これまでにないセキュリティ強度を実現した。ウェブサーバーなど、外部との接続が不可避な領域に向けて売り込む。今回の新技術は国際特許も申請中」と話す。

 今回は、2ポート制御装置単体や、HDD内蔵型、ラック型など計3種類を製品化。価格は40-100万円。
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