日立製作所(庄山悦彦社長)は、IPネットワーク市場向けの事業を拡大する。4月1日付で情報通信部門に「IPネットワーク事業部」を新設したのに続き、6月中旬からはIPv6対応のコアルータやLANスイッチなど新製品を相次ぎ投入し、同市場に本格参入した。同事業部は約500人体制で製品開発・SI(システムインテグレーション)・販売を一体で運営する。キャリア(通信事業者)から中堅企業向けまでの幅広い製品をラインアップし、「価格性能比やサポート面で優位性を発揮する」(滝安美弘・販売・マーケティング本部長)ことで競合会社との差を縮める。

ルータ、スイッチの新製品発売

 IPネットワーク事業部は4月1日付で、情報・通信事業グループのエンタープライズサーバ事業部から独立して発足。日立全体のIPv6対応の関連機器開発やソリューション、販売に投資を集中させた。IPネットワーク市場で、ルータやスイッチの特定分野でトップを目指す。従来からのキャリアやISP(インターネットサービスプロバイダ)のほか、今後は中堅企業まで幅広く対応していく。

 6月中旬に同事業部が設置されて初めて販売を開始した製品は、ミッションクリティカル用途に対応してラインアップを強化する。

 まず、既存のルータシリーズ「GR2000」の上位機種としてフラッグシップ製品のギガビットルータ「GR4000シリーズ」と同スイッチ「GS4000シリーズ」をリリース。両製品は、キャリア向けで最大スイッチ容量を640Gbpsに拡大した。最上位機種は、1Gbpsポートが最大192ポート搭載可能で、業界トップクラスのポート密度を達成している。

 企業・公共フロア構築では、小型レイヤ3スイッチ「GS1000シリーズ」と、小型レイヤ2スイッチ「GR500シリーズ」を7-10月にかけて発売する予定。これにより、キャリア向けルータだけでなく、中堅企業向けのスイッチ分野にも本格参入を果たす。

 同社は、今回発売のルータとスイッチを、(1)大規模企業の大型拠点(事務所)、(2)中規模企業のセンター基幹網――など、比較的規模の大きな事業所へ販売する。

 滝安本部長は、「ミッドレンジのルータ市場は今後も横ばいで推移する。だが、スイッチ市場は年30%増の勢いで伸びる可能性が高い」と、IPネットワーク市場の拡大を予想している。

 同事業部は今後、欧米や中国へも本格的に進出する計画で、競合するシスコシステムズやSI機能をもつ国内の大手メーカーなどに対し、優位に事業展開していく考えだ。