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大興電子通信 今後3年間で利益大幅増狙う 営業利益7億円目指す

2003/07/28 19:28

週刊BCN 2003年07月28日vol.1000掲載

 大興電子通信(牧野誠毅社長)は、今後3年間で営業利益の大幅増を狙う。昨年度(2003年3月期)までの中期経営計画のなかで、事業の構造改革やリストラを進め、黒字体質への転換を果たした。今後3年間(06年3月期まで)の計画では、「売上高が横這いだとしても、営業利益は6-7億円を達成する(03年3月期実績は1億8000万円)」(牧野社長)と、利益拡大に意欲を示す。

 希望退職者および賃金カットによる昨年度の人件費削減額は、総額12億円を超えた。ビジネスモデルもハードウェアの販売比率の低減に努め、昨年度はソフト・サービスの売上高に占める比率を6割に高めた。株主構成も今年3月に変わり、筆頭株主の大和証券グループの株式所有比率が減少し、代わりに実ビジネスで結びつきが強い富士通やオービックの比率を増やした。これらの改革を受けて、今年度から3年間で利益を大幅に改善する。

 牧野社長は、「今後3年間で賃金カットを是正し、仕事の内容と報酬との連動比率を高めた人事制度に改める。さらに、当社が得意としている業務アプリケーションや業種ノウハウを生かして収益性を高める。売上高に占めるハードウェアの比率も現在の約4割から3割に減らす」と、業績改善に向けた積極策を打ち出す。筆頭株主に関しては、「これまで大和証券グループが過半数を所有していたというのは、上場企業として不自然な形だった。大和証券グループの比率が16.69%(総株主の議決権に数に対する割合)に減り、富士通(15.34%)、オービック(12.33%)と並んでバランスのよい配分になった。さらに富士通とオービックとは、ビジネスの現場でさまざまな協力関係を組みやすくなった」と話す。

 人員体制も再度見直す。社員は現在約940人だが、業務アプリケーション分野を強化するため、今後3年間で約260人増やして計1200人体制にまで拡充する。新卒と中途採用、営業とSE(システムエンジニア)、それぞれ半々ずつの比率で採用する。これまで売り上げをけん引してきたハードウェア系やネットワーク工事などの人員は現在のまま据え置く。今後の経営体制については、「これまでも、経営判断について大和証券グループにお伺いを立てるということはなかったが、今回の資本施策により、今後さらに独自色が強まる。富士通からも『ディーラー』ではなく、良き『ビジネスパートナー』であるよう求められている」と、高い収益性を実現するために独立した経営体制を構築する。
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