情報システム構築のアルゴ21(大岡正明社長)は、企業向けソフトウェアの企画から開発、評価・改善など一連の社内作業を体系化した基幹業務プロセス「AOP(アルゴ・オブジェクト・プロセス)」を構築し、今年度(2004年3月期)から一部運営を開始した。

 AOPは「オブジェクト指向」に基づく同社独自の仕組みで、短納期・高品質など最近の顧客ニーズに合ったスピーディな対応を可能にするという。

 同社は昨年度(03年3月期)、主力である金融機関のシステム開発事業が大幅に減少したが、この仕組みを定着させることで、幅広い業界から受注を図り、業績を回復させたい考えだ。

 同社は2年前から、社会経済生産性本部が創設した「経営品質向上活動(QIP)」に基づき、基幹業務プロセスの見直しを本格化させた。

 その1つがAOPで、従来は事業部門別に進めていた各種プロセスである企画、開発、生産、提供などを一貫性のある支援体制にしたもので、昨年度末に完成させた。

「各プロセスを部品として切り出して共有化し、これを組み合わせることで、誰でも簡単に早くシステム構築ができるようになる」(千葉高雄取締役)と期待している。

 今年度からは、AOPを全社的に支援する仕組みとして、基幹業務の品質を継続的に改善するマネジメントシステム「AWAQS(アルゴ21・フォリスティック・アドバンスト・クオリティ・システム)」の運営もスタートした。

 AWAQSは、AOPを情報システムから支援する企業情報ポータル「Pochi-Net」やリスク管理委員会の全社横断プロジェクト、教育・訓練を通じた人材育成などで構成。AWAQSは昨年9月、「プロジェクト設計装置に関する発明」と題して特許庁へ特許を出願中だ。

 大岡社長は、「当社の開発標準であるAOPを一定のSI(システムインテグレータ)パートナーにもマスターしてもらい、協業して開発力を高めていきたい」と、この仕組みでパートナー戦略も強化する方針を打ち出している。

 AOPを軌道に乗せるため、今後3年間で50-70人のプロジェクトマネージャーなどを増員する計画だ。

 最近では、IT投資を行う企業のニーズに応えるために、ソフト開発の上流工程を的確に把握するプロセスが重要になっているといわれる。AOPは、この工程の機能を高める狙いもある。

 千葉取締役は、「大手・中堅システムインテグレータのソフト開発が中国にシフトし始めた。安く、早いだけでなくソフトの品質を向上させ、これらとの差別化をして、生き残りを図りたい」と、AOP策定の意図を説明する。

 同社の昨年度(03年3月期)連結決算は、売上高が前年度比4.3%増の212億円だったものの、経常利益は前年度に比べ約10億円落ち込み2億8300万円にとどまり、最終損益が2億4000万円の赤字となった。

 今後3か年の中期計画では、これら基幹業務プロセスの改革などで、05年度(06年3月期)までに21億円の経常利益を確保したいとしている。