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ニューソフト 中国国内のIT技術者育成を強化 専門大学を年内に2校開校

2003/08/25 19:30

週刊BCN 2003年08月25日vol.1003掲載

 中国のソリューションプロバイダ最大手、ニューソフト(東軟集団、劉積仁会長兼CEO)は、中国国内のIT技術者育成事業に力を入れる。

 7月下旬、インターネットを通じて、IT関連知識やスキルなどの学習プログラムを提供するオンライン大学「ニューソフトオンライン大学」を開校。年内にはさらにIT技術の学習プログラムを教育する専門大学を2校開校する予定で、これによりITの専門大学は4校となる。

 同社は、これまでに東北大学(遼寧省)などと共同で、中国国内に4年制のコンピュータ・ソフトウェア専門大学を設立してきた。2001年7月に遼寧省、02年9月には広東省でそれぞれ開校している。今年9月には、四川省に3校目を開校し、この3校で約2万人の学生がソフト開発を中心にIT関連の技術を学ぶことになる。

 日本市場を意識した人材教育にも積極的で、中国国内で日本語教育に関して最大規模といわれる大連外国語学院(遼寧省)と提携し、ITスキルだけでなく日本語教育も行う大学を9月に開校する。

 「グローバル化が急速に進んでいく今の状況下では、ITスキルだけでなく、外国語教育も重要な要素」(劉会長兼CEO)というのがその理由だ。

 7月下旬に開校した「ニューソフトオンライン大学」は、パソコンからインターネットを通じて専用サイトにアクセスし、会員登録を行えばどこからでもIT技術を学べるeラーニング専門の大学。

 中国のインターネット人口は、02年末で前年末比75%増と急速に拡大しているとともに、広大な国土から、eラーニングの需要が高まるとみて、事業参入に踏み切った。

 5年以内に登録会員50万人の目標を掲げており、「中国で最大規模のバーチャル大学を目指す」(劉会長兼CEO)と意気込む。

 ITスキル、外国語、企業管理などに関する600以上のカリキュラムを用意しており、中国語、日本語、英語の3言語で学習できる。また、会員向けサポートなどを提供するサービスセンターも、今後3年間で中国国内に300か所設置する予定だ。

 同社はソフト開発を中心に、システム構築事業を手がけるソリューションプロバイダだが、劉会長兼CEOは、人材育成事業の強化に関して、「当社が今後も第一線で中国のIT業界を引っ張っていくためには、中国全体のITスキルの底上げとともに、世界に通用するハイレベルなITスキルを持った人材の確保が大きな焦点となる。そのための先行投資は惜しまない」と、今後も人材育成を積極化する方針を打ち出している。
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