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PC-SOSシンポジウム マルチベンダー問題など課題山積 無償サポートが専門業者を圧迫

2003/11/17 19:37

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 パソコンに対するサポートはどうあるべきか――。PCコンシューマ・サポート協議会(PC-SOS)主催で、パソコンサポートの現状や問題点をベンダーやサポート業者、消費者の代表が討議するシンポジウムがこのほど、東京・港区の機械振興会館で開かれた。

 パソコンの家庭への普及率はすでに50%を突破し一般化している。それにともないトラブルへの対処法に戸惑うユーザーも増えている。

 こうしたユーザーを取り込むことでビジネスチャンスを狙うサポート業者にとって、「インターネットサービスプロバイダが会員拡大を目的に設定やサポートを無償で提供しており、せっかく市場を開拓しても利益を根こそぎ取られている」(金川裕一・横河キューアンドエー社長)という。また、初心者にはハード、ソフト、周辺機器など、「トラブルの原因がどこにあるのかわからないという“マルチベンダー問題”がある」(佐谷聡太・ジェイ・ピイ・エス・エス社長)とし、対応が複雑化していると指摘。

 消費者側を代表して発言した有山雅子・日本消費生活アドバイザ・コンサルタント協会東日本支部研修委員長も、「有償でサービスのいいサポートなら仕方ないという考え方と、あくまでもアフターサービスは無償という考えも根強い」とし、二極分化の様相があるという。

 一方、メーカー側も「サポート料金の低下が影響している」(三枝学・PCオープン・アーキテクチャー推進協議会サポート分科会長)や、「低コスト化のためのウェブサポートやNPO組織などで地域密着型のサポート体制を考えてもいい」(小牧良太・電子情報技術産業協会ユーザサポート専門委員会委員長)などの意見が相次いだ。
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