ニュース
IBMと聯想が激しい攻防 最新中国ノートパソコン市場動向
2003/12/01 19:39
週刊BCN 2003年12月01日vol.1017掲載
台湾の大手ノートパソコンメーカー「仁宝電脳(Compal)」は、2007年までにノートパソコンが台湾パソコン市場の半数を占めるようになると大胆にも予測する。
IT調査会社ガートナーが発表したデータによると、今年第3四半期(7-9月)の中国本土におけるノートパソコン販売台数は前年同期比56%増となった。これに対して、デスクトップは同3%増にとどまっており、デスクトップからノートへの急速な移行が進んでいる。
ノートパソコンの急成長をけん引しているのがIBMだ。米ハイテク調査会社のIDCによると、中国市場でのIBMのノートパソコン売上高(7-9月)は前年同期比75%増で、同部門でトップになっている。
販売台数でも中国国内で圧倒的なシェアを誇り、首位の座を維持している聯想(レジェンド、レノボ)についに王手をかけている。
この市場形勢は上海新秦信息諮詢有限公司(上海サーチナ)が行った調査でも顕著な形で現れる。上海サーチナは、7月10日から9月12日まで、傘下サイト「新秦調査」でオンラインモニターを利用した「IT製品やサービスのブランド」に関するマーケティング調査を実施した(有効回答数は600件)。
調査結果によると、ノートパソコンにおいて国内メーカーの聯想と海外メーカーのIBMが2強を形成している。中国の一般消費者がノートパソコンを購入する際に重視するポイント上位3点で、IBMは、「性能」で55%、「価格」で27%、「アフターサービス」では36%を占め、各項目で1位を獲得している。
海外メーカー第2位となった東芝は、この3項目ではいずれも10%台にとどまっており、1位と2位の差がいかに大きいかがわかる。
中国国内メーカーでは、他メーカーを寄せ付けず圧倒的強さを見せつけた聯想。しかし、聯想の強みはあくまでもデスクトップにある。
デスクトップ市場でのブランド力がそのままノート市場にも波及しているといえる。
しかし、ノート市場でIBMをはじめとする海外メーカーが台頭してきたことにより、聯想が今後、ノートパソコンに力を入れていくことも十分に考えられる。
その時こそ、中国市場で国内外メーカーを交えた激しい競争による本格的なノートパソコンへの買い替え潮流が訪れるかもしれない。(サーチナ・吉田雅史)
- 1