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マイクロソフト ISVの事業拡大を支援 コミュニティの参加者急増

2004/01/26 20:19

週刊BCN 2004年01月26日vol.1024掲載

 マイクロソフト(マイケル・ローディング社長)が運営する技術者コミュニティ「アプリケーション・ディベロップメント・コミュニティ2004」の登録者数が1月9日時点で850人に達した。今後は、登録者向けのセミナーの回数を増やすなどして、今年6月末までに登録者数を2000人に増やす。技術的なセミナーだけでなく、経営や営業、マーケティングなどの要素をコミュニティのなかに採り入れることで、パッケージアプリケーションを開発するISV(独立系ソフトウェアベンダー)の事業拡大を支援する。

 「アプリケーション・ディベロップメント・コミュニティ2004」は、マイクロソフトの開発基盤である「.NETフレームワーク」を活用したソフトウェアの開発促進を目的に、昨年10月から本格的な活動を始めた。主にISVなどのソフトウェア開発者が参加している。これまでは、東京のみで技術セミナーなどを開いてきたが、1月16日に開いた大阪でのセミナーから、東京と大阪の両方でセミナーを開催する。1回のセミナーは50-100人程度と小規模にして、登録者同士の交流を重視する。当面は、東京、大阪ともに月2回のセミナーを開催し、参加者数が増えてきたタイミングでセミナーの開催回数や開催場所を増やす。セミナー活動を活発化させることで、登録者数を今年3月末で1000人、6月末で2000人に増やす。

 また、技術者に経営感覚を身につけてもらうため、「技術者の為の経営指南トレーニング」と題した研修セミナーを、システムリサーチ&コンサルト(住中光夫社長)と協力して2月のセミナーから導入する。ユーザー企業の経営課題や業務課題を解決できるソフトウェア開発を促進するのが目的になる。日詰廣造・ゼネラルビジネス統括本部ISVソリューション推進部部長(=写真)は、「技術セミナーだけでなく、顧客企業の経営課題を解決できるようなコミュニティに育てていきたい。今後は、技術セミナー、経営セミナーに加えて、営業やマーケティングなどの要素も採り入れていく」と、ソリューション型のソフトウェア開発を通じて、新規のビジネス案件を獲得しやすい環境作りに力を入れる。

 同コミュニティは、マイクロソフトの年度末である04年6月末で活動を終了する。7月からは「アプリケーション・ディベロップメント・コミュニティ2005」(仮称)として新しい活動を始める。「2004」では、コミュニティ活動を通じて、.NETフレームワーク対応の新規のソフトウェアを約400種類開発する計画を立てており、7月以降の「2005」では、これら商材をシステムインテグレータやリセラーに紹介し、直接的にビジネスに結びつく活動をする。今はセミナーが中心だが、今後は、必要に応じて、コミュニティのなかに分科会を設け、需要と供給のバランスがとれる仕組み作りをする。マイクロソフトでは、「IT全国推進会」や「経革広場」など、複数のコミュニティを運営しているが、活発な意見交換の場としてのコミュニティでは、アプリケーション・ディベロップメント・コミュニティが最大規模となる。
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