業務ソフトウェア会社のビーエスエルシステム研究所(BSL、小野秀幸社長=写真)は、パソコンの使用頻度が少ない個人事業主など、初心者ユーザーを中心に市場開拓を強化する。主力ソフトの「らくだシリーズ」のように、出納や販売など同社の業務ソフトは実物の伝票と同じレイアウト画面で入力する機能を備える。「ソフト購入が初めてでも、ワープロ感覚で、買ったその日から使える」(小野社長)点が受けており、初心者層の市場でシェアを伸ばしているという。さらに初心者層をターゲットにした製品投入を図るとともに、主力の「らくだシリーズ」については既存ユーザーから、機能の高い上位レベルのソフトに対するニーズもあることから、商品化を検討するなど業務ソフト市場で上位シェア獲得を安定的なものにしていく方針だ。

 「らくだシリーズ」は、1996年に発売を開始。現在は、伝票系で販売、給与、出納、在庫、SOHO、業務系では支払、顧客、資金繰りなどの各業務ソフトを販売している。当初は「普及版」と呼ぶ、得意先や商品の事前マスター登録が不要な初心者向け仕様を出荷した。さらに続けて、ソフトを始めて使うユーザー向けに、販売、給与、出納を対象にした「はじめて使うシリーズ」などの製品をラインナップしている。一般の業務ソフト市場は、「どちらかというと会計業務を完璧にこなすためのソフトが多い」(小野社長)として当初から、通常の手書き伝票を打ち込む感覚の簡易ソフトを開発。「今のところ、パソコンを持たない層を狙う競合はいない」(同)と、より簡単な機能を盛り込んだソフトで他の業務ソフト会社とは別の市場を開拓する考えだ。

 同社は、初心者層の市場を開拓するため、「挫折撲滅宣言」と題して、電話サポートを受けたにもかかわらず機能を理解できなかったユーザーを対象として、ソフト購入者に対し無期限・無料の「買取保証制度」を実施している。小野社長は、「これまで、実際に商品が返品された例は片手ほどしかない。だが、この貴重な情報は今後の製品戦略に生かす」と、初心者層開拓のために、ユーザー情報をもとに機能改善を進めていると語る。

 その一方で、初心者向けソフトに慣れたユーザーからの要望で、97年には「らくだシリーズ」の「プロ版」を出荷した。「顧客らくだプロ」では、顧客管理だけでなく、住所録から宛名ラベルや宅配伝票の作成機能などを付加した。

 さらに、「『プロ版』の上位版ソフトを2年後には出したい。改正消費税や電子申告・納税の導入にもビジネスチャンスがある」(小野社長)と制度改正などのタイミングをとらえた製品投入を行うほか、ITを活用した新たなユーザーサポートなども検討中だ。同社は、「BCN AWARD 2004」の業務ソフト部門で弥生に次ぐ販売本数シェア第2位を獲得した。ソフト売り上げの6割は、ソフトバンクBBやコンピュータウェーブなどのチャネルを通じた量販店向け販売だが、今後、個人事業主やSOHOが集まる法人会などと連携した営業も強化する。