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日本ベリサイン 韓国市場での販売網を強化 新たにヤフーコリアを販売パートナーに

2004/03/01 20:24

週刊BCN 2004年03月01日vol.1029掲載

 米ベリサインの日本法人である日本ベリサイン(川島昭彦社長兼CEO)は、韓国向けビジネス拡大を目的に、主力製品のウェブサーバーの電子証明書発行サービス「ベリサインサーバーID」の韓国の販売網を強化した。昨年8月から、韓国でパートナー2社経由で同製品の販売を開始していたが、このほど、ヤフーコリアと新たに販売代理店契約を結んだ。ヤフーコリアからの販売で年間1000本の販売を見込んでいる。今後は韓国だけにとどまらず、アジアを中心に他国での販売にも意欲を示しており、海外展開に拍車をかけていく。

 「ベリサインサーバーID」は、日本ベリサインが第3者機関として、各企業や団体のウェブサイトがSSL(セキュアソケットレイヤー)暗号化通信に対応していることを証明するサービス。

同製品を導入したウェブサイトでは、日本ベリサインから発行された電子証明書「セキュアサイトシール」を掲載でき、サイト閲覧者に対し信頼性を与えられるメリットがある。オンラインショッピングや電子決済システムなどを運営するサイト運営企業を中心に、日本国内で2万枚以上の発行実績がある。

 日本ベリサインは、新規顧客の開拓として日本国内だけにとどまらず、海外マーケットにも目を向け、昨年8月から第1弾として、韓国市場で「ベリサインサーバーID」の販売を開始した。

韓国のITベンダーであるドメイン取得支援事業などのアイネームス、ナインフォーユーの2社と販売代理店契約を交わした。販売パートナー2社は、それぞれ傘下に100社以上の代理店網を構築している。

 韓国市場のビジネスを指揮する平岩義正・ビジネスデベロップメント部課長は、「ブロードバンドの普及率とセキュリティに対する意識レベルが高いことから海外展開の第1弾として韓国を選んだ」と、その理由を話す。

 韓国では、韓国政府が発表した「インターネット上での個人情報保護に関するガイドライン」の中で、個人情報保護を扱うウェブサイトには、SSLなどの暗号技術を用いて個人情報を保護することが推奨されており、「日本に比べて暗号技術、ウェブサイトのセキュリティに対する意識レベルは高い」(平岩課長)という。

 新たに販売パートナーとなったヤフーコリアは、ポータルサイト(http://kr.yahoo.com/)でサーバーIDを利用するウェブサイトが表示される場合、検索結果に「セキュアサイトシール」も一緒に表示できるようにした。

 平岩課長は、「ブランド価値を示すことが、サーバーID拡販のためには必須事項。韓国ではまだまだ低いセキュアサイトシールの知名度を向上させることができる」と、販売だけでなく、ユーザーへ浸透という意味でもメリットがあることを強調する。

 米ヤフーおよびヤフージャパンでは、このような取り組みは行っておらず、韓国市場だけの施策となる。

 韓国での販売網については、ヤフーコリアとの提携により、「ほぼ体制は整った」(同)としており、今後はアジアを中心に他国でも販売を拡販していく姿勢も示している。
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