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SRA 社内カンパニーを設置 オープンソースのノウハウ結集

2004/04/12 20:44

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

 ソフト開発のSRAは、Linuxを中心としたオープンソース関連のビジネス強化を狙いに、オープンソースビジネスに特化した社内カンパニー「オープンソースカンパニー」を4月1日付で設置した。これまで各事業部で分散して手がけていたオープンソースビジネスのノウハウを新組織に結集させることでビジネス拡大を図る。昨年度(2004年3月期)は売上高約35億円だったオープンソース関連ビジネスを、今年度には65億円にまで引き上げることを目指す。

 オープンソースカンパニーは、同社が4月1日付で新たに組織した社内カンパニー6部門の中の1つ。約80人体制で、営業からマーケティング、開発からサポートまでオープンソース関連ビジネスに関わる社員を同カンパニーにすべて集約した。これまでのオープンソースビジネスは、システム開発や、ネットワークシステム構築、コンサルティングサービス事業といった枠組みのなかで、それぞれが個別に手がけていた。オープンソース関連ビジネスに特化した組織を設立することで、ノウハウの有効利用、新たな製品・サービス創出につなげビジネス拡大を図るのが目的だ。昨年12月に、各事業部の案件の把握や集約などを行い、ビジネス戦略を立てる準備組織を設けてはいたが、オープンソースに特化した組織は同社にとって初めてとなる。

 オープンソースデータベースソフト「パワーグレス」を中心としたパッケージソフト販売ビジネスと、オープンソース基盤で動くアプリケーション開発を主軸事業に、今年度65億円の売り上げを目指す。「パワーグレス」の販売は、従来の国内販売に加え、海外展開も先月から開始した。現段階では米国市場のみだが、欧州や中国でも地場の販売パートナーとチャネル網を構築し販売開始していく予定で、国内外合わせて2億円の売り上げを見込んでいる。

 SRAのオープンソース関連の売り上げは、ここ数年着実な伸びを示しており、2000年度には約11億円、昨年度には約35億円規模にまで成長してきた。それでも、林香・オープンソースカンパニーバイスプレジデント兼ビジネス部長(=写真)は、「ソフト開発とサポート部隊がバラバラで連携が薄く、営業が集めてきた細かなユーザーニーズも開発案件に乗らない状況だった」と、カンパニー設立に至った経緯をオープンソースビジネスの集約にあるとしており、特化した組織の設置で「さらに拡大できる」と自信を見せている。子会社ターボリナックスの売却については、「個人向けビジネスに移行しつつあるターボリナックスとの相乗効果が出しにくい状況になった」と、その理由を説明している。
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