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日立情報システムズ 「天シリーズ」の販売、年間200社目指す 従来比3倍でシェア10%獲得目指す

2004/04/26 20:44

週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載

 日立情報システムズ(堀越彌社長)は、主力の生産管理・販売管理システム「天シリーズ」の販売体制を大幅に拡充する。これまで年間60社程度の納入社数だったのを、今後2 ─3年以内に年間200社へ販売できる体制をつくる。天シリーズでは、ウェブ対応の新シリーズ「ウェブ天成」を今年2月から順次出荷を始めており、これを足がかりとして販売増を狙う。

 天シリーズは中堅・中小の製造業および卸売業向けの生産管理・販売管理システムで、対象業種となるのは、同社の調べで全国約3万社となる。このうちERP(統合基幹業務システム)などのIT導入率は25%の約7500社で、3-4年でシステムが入れ替わることから年間約2000社の需要が発生しているとみている。同社では、このうちシェア10%の200社を天シリーズで獲得する計画だ。

 拡販の原動力となるのは、ウェブ対応の新しい天シリーズ「ウェブ天成」の投入に加えて、IBMプラットフォームへの対応などによる日本アイ・ビー・エム(日本IBM)系の販売チャネルの活用、SAPやオラクル、スーパーストリームなどの他社業務システムを販売するシステムインテグレータを通じた販売チャネルの開拓など。これにより、これまで年間60社程度に納入していた天シリーズを、今後2-3年以内に年間200社へ販売できる体制を構築する。

 ウェブ天成は、今年2月に、既存のクライアント・サーバー型「天シリーズ」のデータをウェブブラウザに呼び出すモジュールを出荷したのに続き、4月に販売管理モジュール、7月に生産管理モジュールを製品化する。

 さらに、今年度下期(04年10月-05年3月)には、IBMの統合アプリケーションサーバー「iシリーズ」と、ウェブサーバーの「ウェブスフィア」、データベースの「DB2」など一連のIBMプラットフォームへの対応を進める。これにより、「日本IBMのビジネスパートナーが扱いやすいシステムに仕上がる」(間手原昭人・日立情報システムズ流通情報サービス事業部パッケージ開発本部第一部部長)としており、日本IBMの販売チャネルの活用も見込む。

 ウェブ天成では、財務会計や人事給与などのモジュールは開発していなかった。会計・人事部分は、エス・エス・ジェイの「スーパーストリーム」やオービックビジネスコンサルタント(OBC)の「奉行シリーズ」との連携を進めてきた。だが、今後は、SAPやオラクルなど他社ERPとも標準的な作業連携ができるように開発を進める。これまでは、スーパーストリームや奉行シリーズ以外の業務システムとの連携は、個別案件として対応していた。

 「他社ERPへの標準対応を進めることで、これらERPを販売するインテグレータがウェブ天成を扱いやすい環境づくりを整備する」(同)と、間接販売チャネルの活性化にも力を入れる。
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