通信ソフト開発・販売を主力事業に置くインターコム(高橋啓介社長)は、国内ベンダーとしては初めてDVDビデオのトランスコーディングエンジンを開発した。トランスコーディングエンジンは、DVDライティングソフトのなかでも中核となる技術で、書き込み速度や画質の鮮明さなどを左右する。インターコムでは、今月にも同エンジンを搭載したDVDラインティングソフトを国内市場で販売開始する。さらに、デジタル家電向けの組み込み用エンジンとしてのOEM(相手先ブランドによる生産)提供、海外展開にも意欲を見せており、DVDライティングソフトの開発・販売事業を本格化させていく。

 トランスコーディングは、DVDビデオデータをオリジナル画像の画質と同等に、片面一層式の記録型DVDメディア1枚分の容量に合わせて高速変換する技術。MPEG2形式の圧縮動画データから不必要なデータを除き、MPEG2データに画質を劣化させることなくエンコードし直すことで、作業時間を大幅に短縮できる。120分のDVDビデオデータを11分台で書き込むことができるという。

 開発の陣頭指揮を執った藤井敦司・パーソナルシステム事業部開発部プロダクト開発担当課長代理によると、「日本国内で利用されている海外のソフト開発ベンダー製品と比べてもトップレベルの速度。画質もオリジナルデータとほぼ同じ」と、その優位性に自信を示す。「今年1月時点では30分が限界だったが、抜本的に開発手法を見直し、11分台を実現できた。まだ書き込み速度を上げることは可能なので、10分を切りたい」と意欲を見せている。

 インターコムによると、国内ソフトベンダーによるDVDビデオデータのトランスコーディングエンジンの開発は初めてという。

 高橋社長は、「DVDライティングソフトは、国内でもさまざまなソフトベンダーが販売しているが、その大半が海外で開発した製品のローカライズモデル。自社開発しているソフトベンダーはいなかった」と話す。高橋社長がDVDライティングソフトの今後の成長性を見込み、約1年前から藤井課長代理をトップとしてスタッフ4人で開発に着手していた。

 ビジネスとしては、まず第1弾として、今月にも同エンジンを搭載したDVDライティングソフトを発売する予定。このほか、海外ソフトベンダーの技術を上回っていることから、海外市場への投入も計画中だ。また、「ハイブリッドレコーダーにも応用できる技術」(高橋社長)として、家電メーカーへのOEM供給も視野に入れており、通信ソフトとともに、DVD関連ソフトを事業の柱に育てていく意気込みだ。

 高橋社長は、「自社開発したことで社内にノウハウが蓄積され、さまざまな応用が可能になる。この技術を使った利用範囲を広げていき、“日の丸ソフト・技術”をアピールしていきたい」と話す。