ソフト開発のコムチュア(向浩一社長=写真)は、中国やベトナムなど海外のソフト開発資源を活用することでコスト競争力を高める。今年1月には、同社が幹事会社となり日本のソフト開発会社7社などと共同でベトナム・ハノイ市に合弁会社「ピジャスゲイト」を設立し、ベトナムでのソフト開発に乗り出した。コムチュアは中国・上海市に、1988年、合弁会社「上海啓明ソフトウェア」を設立している。

 同社の昨年度(04年3月期)業績は、赤字プロジェクトの発生やホストコンピュータの運用サービスの落ち込みなどマイナス要因があったものの、売上高は前年度比約16%増の約40億円、経常利益も同プラスと好調だった。主力のソフト開発が前年度比売上高ベースで約20%伸びたことが業績アップに寄与した。

 ソフト開発は、顧客企業からの値下げ圧力が強まるなど、全般的に収益性が悪化している。同社では、こうした逆風の市場環境のなかでも、海外のソフト開発基盤の整備推進や、国内協力会社の効率的な活用などコスト的に有利な外注体制を固めることで、主力のソフト開発事業の収益性を大幅に高めている。

 向社長は、「開発コストを下げることで競争力が高まり、より多くの案件を獲れる」とし、ハイリスクな案件を避け、確実に収益が見込める案件を重点的に獲得する“ゆとり”が生まれたと話す。

 同社は、開発コストを抑えるために海外でのソフト開発には以前から力を入れきた。88年には中国・上海市に合弁会社を設立。さらに今年1月には、コムチュアが日本側の幹事会社となって、ベトナムに日本企業7社、ベトナム企業6社の13社の出資によりソフト開発の合弁会社を設立した。

 ベトナムでのソフト開発については、今後3年間は人材育成に努め、4年目から現在の上海の開発会社と同様、本格的なソフト開発の拠点とする。中国のソフト開発会社に対しては、コムチュアの外注工数のうち約1割を発注しており、中国合弁に発注することで、国内での開発に比べ約3割のコスト削減を達成している。

 同時に、国内ソフト開発会社との結びつきも強めている。「小ロットで短期間の案件を海外に出すと、逆に割高になる。小回りが利く国内のソフト開発企業を活用することによるコスト削減効果も大きい」(向社長)と話す。

 向社長は、ソフト開発事業者で組織する全国ソフトウェア協同組合連合会の会長を務めるなど、人脈作りにも力を注ぐ。「顔見知りが増えれば、仕事も融通しやすい」という。今後も国内外でのソフト開発体制の整備を進めることで、収益力強化を図っていく。