インテリシンク(荒井真成社長、4月19日付でプーマテック・ジャパンから社名変更)は、デジタルデータをシンクロナイズ(同期)する独自の技術を、主力の携帯電話メーカー向けのOEM(相手先ブランドによる生産)だけでなく、企業の情報システム向けに拡販を狙う。このため、サーバーメーカーへのOEMとライセンス販売を本格的に開始する。米インテリシンクは昨年、VPN(仮想私設網)などの技術をもつ企業4社を相次いで買収。これまで、携帯電話やPDA(携帯情報端末)などコンシューマ向けモバイル機器へのOEMを進めてきたが、企業買収によって得た技術を使い、企業ユーザー開拓を進めている。今後、国内でも同様に企業ユーザーの拡大を図る。

 新しい社名のインテリシンクは、同社の中核技術であるデータシンクロ/ブラウジング(データベース内の情報把握)技術の「インテリシンク」から採った。このインテリシンクのエンジンは、携帯電話やPDAとモバイルパソコン間でアドレス帳などをシンクロナイズする技術として、携帯電話会社などにOEM提供されている。昨年10月には、携帯電話ソフト「携帯万能」を販売しているエス・エス・アイ・トリスターと業務提携し、インテリシンク技術を用いたソフトを発売した。
 米本社では昨年3月に、異なるデバイスやソフト間でもファイルを同期できる「SyncML(シンクML)」技術をもつ米モトローラの子会社である米スターフイッシュを買収。携帯電話やPDAとグループウェアが同期できる「インテリシンク・シンクML・サーバー」や、イントラネット上のウェブ更新情報を定期的に通知する「マインドイット・サーバー・フォー・イービジネス」などの出荷を開始。インテリシンク技術を使用した企業向けビジネスモデルの開発を進めている。

 さらに7月には、携帯電話やPDAのブラウザを使いパソコンのアウトルック上のメールにアクセスできる「ラウンドPC」技術をもつラウンドファイアや、VPN技術をもつスポンテックテクノロジーなどを買収した。今後、こうした技術とインテリシンク技術やシンクMLを融合した新たな製品のラインアップを検討している。

 日本法人の荒井社長は、「これまで企業システムのユーザーに対しては直販が中心だった。今後は、当社の技術を利用したいハードウェアメーカーやグループウェアベンダーなどにライセンス提供できるパートナーを増やす」としている。

 また、日本は世界で最も先進的なモバイル市場であることから、「モバイル端末を利用したSFA(営業支援システム)や業務情報の入手などの利用で、日本の企業向けソリューションを拡充する」(荒井社長)と話しており、今年度(2004年7月期)の売上高見通し約10億円に対して、「今後は、毎年20%以上の増加を見込む」(同)と、意欲を示している。