クレオ(秋山雅幸社長)は、ハガキ作成ソフト「筆まめ」の携帯電話版サービスを今秋をめどに開始する。高齢者に比べ、年賀状や暑中見舞いを出すことが少ない10-20歳代の新規需要を開拓する。また、機能の1つである住所録を生かし、法人にも売り込みを図っていく。ハガキ作成ソフト市場は成熟期に入っており、携帯電話をターゲットにした新しいサービスで同社の看板ソフトである筆まめのビジネス拡大を図る。

 10-20歳代の若者の間では、年賀状や暑中見舞いなどを携帯電話のメールで済ませるのが一般的。「筆まめ」の携帯電話版は、携帯電話でハガキを作成し、メールで送ることが可能なサービスとする。パソコンと違い、マウスやキーボードを使って作成できないため、ボタン操作で簡単にハガキを作成できるようにする。

 もともと、ハガキ作成ソフトの需要は30歳以上の社会人や高齢者が多く、若年層のユーザーは少ない。秋山社長は、「携帯電話に対応することで若年層を新規需要として獲得する」方針だ。

 冬商戦に向けて今秋をめどに販売を開始するが、販売方法はパッケージ販売やダウンロード販売、ASPサービスなど複数検討している。今後、具体的な販売方法を詰めていく。

 これに加えて、ハガキ作成ソフトの機能である住所録を携帯電話でも活用できるようにする。住所録機能は、年賀状作成時だけでなく、会社員が取引先への訪問や電話をかける際に活用するケースが多い。自宅のパソコンの筆まめで作成した住所録データを会社のパソコンに入力したり、クレオが提供するウェブサービス「筆まめBBサービス」などで保管しているという。携帯電話で住所録の閲覧が可能になると「企業での利用頻度も高まる」として、同社が企業向けに手がけるシステムインテグレーションビジネスの拡大にもつながるとみている。

 ハガキ作成ソフトは、需要が一巡し市場が成熟期に入っていることに加え、雑誌の付録で手に入れることや低価格などにより、「過当競争の状態」(秋山社長)という。パソコン用のパッケージソフトを販売するだけでは、売り上げや利益を伸ばすことが難しくなっており、ビジネス継続のためには新規需要を開拓することが急務となっている。

 そのためクレオでは、「ビジネスプロセスを含め再検討することが必要」と判断し、第1弾として携帯電話版の新しいサービスを立ち上げることに踏み切った。

 筆まめ関連ビジネスの売上高は、全体の15%程度を占める。2003年度(04年3月期)の成長率は「前年度と比べ微増」にとどまった。新サービス開始により、今年度は確実に売上高アップにつなげたい考えだ。