ニュース

NEC ビジネスパソコン出荷、前年度比2ケタ増へ 販売店経由のウェブ販売を核に

2004/06/07 20:49

週刊BCN 2004年06月07日vol.1042掲載

 NEC(金杉明信社長)は、2004年度(05年3月期)のビジネスパソコン出荷台数で前年度比2ケタ増を目指す。昨年度の実績は、金額では前年度比横ばいだったものの、台数で同約10%程度伸長したことから、「今年度も引き続き2ケタ増を目指す」(田中重穂・パートナービジネス営業事業本部ビジネスPC事業部長=写真)方針だ。出荷拡大策の核となるのが、販売店との連携によるパソコンウェブ販売。これまでにも販売店がウェブ販売をしやすくなる仕掛けづくりに力を入れてきたが、価格競争力のあるデスクトップパソコン「Mate(メイト)Jシリーズ」、ノートパソコン「VersaPro(バーサプロ)Jシリーズ」を揃え、広告などでもアピールする。他社が販売店を経由しないセールスを増やしているのに対し、「販売店と協調する日本型販売で売り上げを伸ばす」ことを目指す。

 NECでは、他のパソコンメーカーがウェブ直販を強化しているのに対し、販売店経由でのウェブ販売を強化している。「これまでにも販売店経由でのウェブ販売の強化を打ち出してきたが、必ずしも成功してこなかった。今回は、価格訴求力のあるJシリーズを用意し、この製品をユーザーにアピールする。バックエンド部分をNECが引き受けることで、販売店のウェブ販売を成功させたい」(田中事業部長)。ターゲットとする顧客層は中小企業ユーザー。「販売店にとって訪問販売では効率が悪い顧客層をウェブに誘導する」ことを狙いとしている。顧客アピールのために、今年5月には価格訴求力のあるJシリーズを全32機種中29機種まで拡大。広告でもデスクトップでは5万4800円から、ノートでは9万9800円からと価格的魅力を前面に出している。

 NEC側が行うバックエンドサポートとしては、①顧客向けホームページ立ち上げ支援、②ダイレクトメールおよびeメールによる情報発信支援、③顧客専用ウェブショップ支援、④e販売代行サービス――など。e販売代行サービスとは、販売店のウェブショップの運営代行、休眠顧客や新規顧客の開拓をNEC側で請け負い、商品の販売から納品までをNEC側で代行する仕組み。商品の販売までNEC側で担当した場合は、販売店側に顧客手数料を支払う。「NEC側が担当しても、顧客側にはNECの名前は見えない仕組みとして、あくまで販売店の名前を前面に出す」(田中事業部長)方針だ。NECでは上期中に販売店経由のウェブ販売を軌道に乗せ、「下期についてはインパクトあるハードウェアを揃え、再び製品拡販につなげていきたい」としている。
  • 1