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NECトータルインテグレーションサービス グローバル対応で受注拡大へ 開発体制の拡充に注力

2004/06/14 20:49

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 NECトータルインテグレーションサービス(西川喜勝社長)は、グローバル展開を進める大手企業を主力ターゲットにソリューションビジネスの拡大を図る。今後、年率15%増の売上高アップを目指す。世界標準の企業システム向けJavaプラットフォーム「J2EE」やIBMソリューションを一部採用するなど、グローバル対応のソリューション強化を進めることで、今年度(2005年3月期)第1四半期は受注高ベースで前年同期比3-4割増を見込む。

 同社は大型汎用機の販売を事業の中心としてきたが、02年以来のソリューション重視の構造改革の結果、今年度(05年3月期)は売上高に占めるハードウェアの販売比率は50%を下回る見込み。一方、ソリューションの内容も他のNECグループとは若干異なる。

 顧客企業約250社のうち、東証1部上場企業が約160社を占めるなど、大型汎用機を使う大手企業が顧客層の中心を占めており、グローバル展開する企業も少なくない。このため世界標準のJ2EEの全面採用やIBMのソリューションの一部採用を決めた。

 海外進出を積極的に進める顧客企業がグローバル対応の情報システムを求めるなか、こうした需要に「積極的に対応する」(西川社長)ことで、ハードウェアへの依存比率を下げ、ソリューション中心の事業を展開する。昨年10月からは、J2EEをベースとしたオリジナルのソリューション基盤「CGAAソリューション」の本格販売を始めた。今年度第1四半期は、こうした取り組みが顧客から評価され、受注高ベースで前年同期比約3-4割増を見込む。

 今後は、ソフト・サービスなどのソリューションへの比率をさらに高める体制づくりに力を入れる。これまで機器販売や汎用機の運用保守業務などで顧客先に出向くビジネスが多かったが、今後は大規模なシステム開発のプロジェクト管理能力を高めることが重要になる。「赤字プロジェクトの発生阻止などを目的としたプロジェクト管理のリーダー育成に努める」(同)と人材育成に全力を挙げる方針だ。

 主力のCGAAソリューションの機能拡充策としては、分析機能の強化を図る。分析ツールは世界的に有名なアイ・ディ・エス・シェアー・ジャパンの「ARIS」シリーズとの連携を予定。顧客の業務分析から個別の業務システム部品の選択、運用保守までの一貫導入型の手法を完成度の高いものに仕上げる。直近の売上高に対する最終利益の比率はCGAAソリューション拡充や人材育成などの投資が必要であることから2%程度にとどまる見込みだが、CGAAソリューションの軌道に乗る2-3年後には5%程度の最終利益率の確保を目指す。
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