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NECネクサソリューションズ 販売コストを15-20%削減へ 価格競争力で外資に対抗

2004/06/28 20:49

週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載

 NECネクサソリューションズ(松本秀雄社長=写真)は、企業向けのパソコン、サーバーなどハードウェアの販売コストを来年度(2006年3月期)中に最大20%圧縮する。早ければ今年度(05年3月期)末までに新しい顧客管理システムを開発・導入し、販売を効率化することでコスト削減を実現する。競争力ある価格を打ち出すことで、攻勢をかける外資系ベンダーに対抗する。

 同社の過去3年間に取り引き実績がある顧客企業約3万社のうち、売上高全体の約8割を占める上位2000社の顧客企業に対しては、システムインテグレーションやアウトソーシングなど積極的な提案活動を展開して付加価値の高いビジネスを実現している。だが、上位2000社を除く約2万8000社の顧客に対しては、「これまで営業しきれていないところもあった」(松本社長)と、低価格を武器に中堅・中小企業に切り込む外資系ベンダーに対して防御が手薄だった。販売力を高めるため、今年度末までに約2万8000社の顧客を対象とした顧客管理システムを開発・導入し、販売効率を大幅に高める。

 過去の購買履歴をもとにしたデータベースマーケティングや、新製品の情報をいち早くウェブやメールで通知するなど、ITをフルに活用したシステムに仕上げることで、販売管理費など営業にかかわるコストを従来比で15-20%下げ、競争力ある価格戦略につなげる。ハードウェア単価が下落していることで、営業担当者が足を運ぶ従来方式では非効率であり、単価の下落にコスト圧縮が追いつかないため、外資に比べコスト競争力が衰退する。同社の昨年度(04年3月期)のハードウェア売上高は前年度比約19%減の575億円に落ち込み、その分利益を圧迫することにつながった。

 NEC本体は、コンピュータと通信を融合した製品群「ユニバージュ」を拡充するなど、プラットフォーム事業の拡大を目指している。これら新製品の中堅・中小企業におけるシェア拡大には、NECネクサソリューションズの販売力が不可欠だ。松本社長は、「当社はNECグループのシステムインテグレータのなかで最大のハード販売量がある。今後もハードのボリュームを落とすわけにはいかない」と、メーカー系販社としてハードの販売力を重視する。

 顧客数約3万社のうち、上位2000社は基幹系システムのアウトソーシングを受託したり、ERPパッケージをベースとしたシステムインテグレーションを手がけるなど、付加価値の高いビジネスモデルを確立している。だが、売上高全体の半分近くを占めるハードの収益構造の弱体化が業績伸長のうえで大きな足かせとなっていた。今回、約2万8000社に向けたハード販売の抜本的な解決策を打ち出すことで、さらなる事業拡大を目指す。
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