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ボーランド 要求管理システムの日本語版を発売 Javaとの親和性の高さで差別化

2004/07/05 21:03

週刊BCN 2004年07月05日vol.1046掲載

 米ボーランド・ソフトウェアの日本法人であるボーランド(小手川清社長)は、このほどソフト開発チーム間で円滑な共同作業を実現する要求管理システム「CaliberRM6.5」の日本語版を初めて日本市場に投入した。加えて、変更管理ソリューションの新バージョン「SterTeam6」の日本語版も同時リリース。両製品は、7月中旬から同社パートナー32社を通じて、企業向けソフト開発を担当するシステムインテグレータ、パッケージソフトや組み込みソフトを開発するISV(独立系ソフト会社)に供給開始される。両製品の販売戦略などを来日した米ボーランドのパット・カーパンCTO(最高技術責任者)に聞いた。

 ──ソフト開発では、要件提示後の変更要求に応えるのは大変だが。

 カーパン 当社の調査では、ソフト開発の欠陥原因の56%が「要求管理に起因」していることが明らかになっている。企業など顧客側の要件提示は、簡素なもので、ソフト開発プロジェクトを立ち上げた後に、変更要求がくることはよくある。

 この変更要求など、プロジェクトの立ち上げから実装・保守に至るまで継続的なプロセスを管理するのが、当社の要求管理システム「CaliberRM6.5(カリバーアールエム6.5)」になる。

 ──日本に、要求管理システムの需要はあるか。

 カーパン 米国の企業向けソフト開発では、オフショア開発やシステムインテグレータが複数介在する案件が増えている。日本でも、この状況は同じで、企業のIT部門とソフト開発者のチームが要件定義や関連情報などを集中的に管理し、変更要求に迅速に応えないと、ソフト開発期間が延びるなどの欠陥が生じてしまう。日本市場は、当社にとって重要な市場というわけだ。

 ──従来、ソフト開発側では、どのように要求管理していたのか。

 カーパン 多くのソフト開発チームは、付箋や電子メール、電話などを使った手作業やドキュメントベースで要求管理を行っている。だが、これでは、顧客の変更要求や開発プロセスの見直しに柔軟に対応できないのが実情だ。

 ──日本では、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が「ラショナル」という要求管理システムを出しているが。

 カーパン ラショナルはマイクロソフトのワードなど、マイクロソフト製品との親和性が高い。だが、カリバーアールエム6.5は、組み込みソフトなどで開発スタンダードとなっているJava環境に親和性が高いだけでなく、当然.NETにも対応している。

 また、すべての要求管理を監査記録として残せるほか、TCP/IPによるアクセスサポートでパソコン端末数や人数制限を問わずチームがプロジェクトを遂行できるのが特徴だ。

 ──もう1つ、同時期に「SterTeam 6(スターチーム6)」という製品を出すが。

 カーパン この製品は、単なるバージョン管理システムと違い、チーム全員が各種の変更要求や障害追跡、タスク追跡など、進行中のプロジェクトの問題点を分かりやすく把握できる。

 カリバーアールエム6.5は開発ツールの一種で、スターチーム6は開発プロジェクト中の障害データに基づき解決手段を発見する。両製品を併せて利用すれば、確実な要求管理ができるし、ソフト開発期間を大幅に短縮できるのが特徴だ。
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