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エムネット 中国現法の要員を2倍の150人体制に システム開発需要の増加に対応

2004/07/19 21:03

週刊BCN 2004年07月19日vol.1048掲載

 エムネット(萬野喜久次社長)は、中国事業の強化を進める。日系企業の進出で中国国内でのシステム開発需要が高まっているのに加え、日本国内での受注単価下落に対応するのが狙い。中国でのビジネスチャンス拡大を目的に、5月に上海に置く現地法人が広東省広州市に支店を開設したのを手始めに、Java系技術者の獲得を進め、年内をめどに中国現法の要員を2倍の150人体制に拡充する計画だ。

 中国現法の「埃慕計算機技術(上海)有限公司」は、2001年4月の設立。ソフトやシステム開発のほか、保守、運用なども手掛けている。これまでは、上海を中心に中国に進出した日系企業のシステム開発・サポートと日本国内向けのソフト・システム開発の比率がほぼ同じになっている。

 しかし、大企業の中国進出にともない、下請けなどの中堅・中小企業の進出も拡大。管理能力や人材の不足を補う観点から、積極的にIT投資を行うところが増えてきている。独立系のエムネットには、こうした企業からのシステム開発やネットワーク化、保守などのニーズが多く寄せられるようになっている。また、日本国内の開発についても、受注単価の引き下げ圧力が依然強い。このため、中国現法の要員を拡充し、中国向けと日本向けのバランスを崩すことなく、中国事業の強化を図ることにした。

 5月に開設した広州支店は、日系企業向けの保守、運用サポートが中心で、要員拡充の中心になるのは、上海の開発部隊。賃金の格差があるため、中国・東北部でソフト・システム開発に携わってきた人材が、上海や北京に移ってくる例が増えており、受給バランス面での問題はないとみられる。ただし、労働条件によって容易に流動化する可能性があるため、ややコストがかかっても好条件を提示し、定着率を高める考え。「大手では賃金体系などの成約があるため、柔軟に対応できる当社のような独立系の方が人材確保がし易い」(萬野社長)としている。また、同社は、華東師範大学とも提携関係を持っており、これを活用した人材獲得も進める考え。

 さらに、年内をめどに150人体制の構築を目指す一方で、バッファーとして現地の協力会社開拓も同時進行させ、中国での事業機会獲得を担保したい考えだ。
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