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フィンジャンソフト ウイルス対策ソフトを日本投入 未知の不正プログラムを95%駆除

2004/08/02 21:07

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

 米セキュリティベンダーのフィンジャンソフトウェア(カリフォルニア州、シュロモ・トゥボールCEO<b>=写真</b>)は、パターンマッチング技術では防げない未知のウイルス検出・駆除技術を持つウイルス対策ソフトを7月、日本市場に投入した。従来のパターンマッチングだけではなぜ危険性が高いのか。創業者であるトゥボールCEOに話を聞いた。

 米セキュリティベンダーのフィンジャンソフトウェア(カリフォルニア州、シュロモ・トゥボールCEO=写真)は、パターンマッチング技術では防げない未知のウイルス検出・駆除技術を持つウイルス対策ソフトを7月、日本市場に投入した。従来のパターンマッチングだけではなぜ危険性が高いのか。創業者であるトゥボールCEOに話を聞いた。

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 ──定義ファイルで対応するパターンマッチングでのウイルス対策では不十分な理由は何か。

 トゥボール セキュリティパッチが公開されてから、ウイルスが発生するまでの期間が急速に短くなっているからだ。以前は脆弱性公開からウイルス発生まで100-200日程度の期間があったが、今は20-30時間でウイルスが発生する。定義ファイルは脆弱性公開から数時間後に配布されるものであり、配布前の時間は、何の防御もできない時間ということになる。ウイルス発生の時期がもっと早まることは確実であり、定義ファイルが間に合わないという状況も考えられる。また、定義ファイルをアップデートさせないようにしたり、定義ファイル自体を壊してしまうウイルスもあり、ウイルス自体も進化している。パターンマッチングだけでは、もはや限界を迎えている。

 ──フィンジャンソフトの強みは。

 トゥボール 定義ファイルをインストールしなくても、ネットワークに流れるプログラムを常に監視し、ウイルスなどの不正な動きをするプログラムを駆除する「振る舞い検査技術」だ。当社ではゲートウェイとクライアント用の2製品のウイルス対策ソフトを提供しているが、この振る舞い検査技術で、既存のウイルスをゲートウェイで95%駆除している。また、この振る舞い検査技術は他のセキュリティベンダーとの共同利用が可能だ。今は、マカフィーやソフォスなどのウイルス対策ソフトと一緒に使うことが可能で、シマンテックやトレンドマイクロとも交渉を進めていく。当社の振る舞い検査技術と他のウイルス対策ソフトのパターンマッチング技術を利用して、さらに強固なウイルス対策を施せる。

 ──日本市場での展開は。

 トゥボール 7月にゲートウェイ用のウイルス対策ソフトをアークンを通じて販売開始した。年内にはクライアントモデルを投入する予定だ。セキュリティベンダーとの協業も進めていき、新たなウイルス対策技術の必要性と、フィンジャンの優位性をアピールしていく。
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