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三井物産セキュアディレクション 販売パートナーを拡大 3年後には売り上げ100億円へ

2004/08/23 21:06

週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載

 三井物産が7月9日に情報セキュリティ事業部門を分社して設立した三井物産セキュアディレクション(MBSD、野村一洋社長)は、販売パートナーの数をこれまでの2倍にあたる20社に増やす。中心顧客である大企業だけでなく、従業員1000人以下の中堅・中小企業の顧客も獲得することが狙い。既存のパートナーに加え、中堅・中小企業に強いパートナーと組むことで、顧客の裾野を広げる。そのため、パートナープログラムも今月中に整備する計画で、販売パートナーに対するサポートを充実していく。

 MBSDでは、三井物産が約2年半前から手がけてきたセキュリティ事業を引き継ぎ、情報セキュリティ関連製品の販売およびサービス提供を主軸に置く。正式に事業を開始したのは8月2日から。社長には三井物産のセキュリティビジネス室で室長を務めていた野村一洋氏が就任した。「経営スピードの向上と、ユーザーやパートナーに対して信頼感を与えるためには、会社として事業を進める方がメリットがある」(野村社長)として、セキュリティ専門企業としてスタートした。

 不正アクセス監視サービスやSSL-VPN(仮想私設網)運用・管理サービス、不正侵入検知システム(IDS)などのセキュリティ製品の卸販売を手がける。なかでも、セキュリティシステムの管理・運用などのサービス事業に強みを持つ。今年度(2005年3月期)の売り上げは約30億円になる見通しで、3年後(08年3月期)には100億円を目指す。

 扱う製品やサービスのラインアップを増やす計画は当面ないが、販売パートナーの拡大については急ピッチで進める計画だ。三井物産の事業部門だった時は、大手ITベンダーを中心に10社の販売パートナーと協業していたが、これを20社に増やす。かつては従業員規模1000人以上の大企業をエンドユーザーのターゲットにしてきたが、「ユーザーの裾野拡大が100億円達成のためには必要」(野村社長)として、販売パートナー網の拡充で中堅・中小企業の顧客獲得を狙う。

 野村社長は、「中堅・中小企業に強く、セキュリティ事業が手薄でこれから強化していこうと考えているシステムインテグレータやネットワークインテグレータを中心に、アライアンスを組んでいく」としており、従来、主軸としていた直販から、販売パートナー経由の間接販売にシフトすることを強調する。現在の販売パートナー経由の間接販売比率は約40%だが、「早い段階で60%まで引き上げたい」と話している。

 販売パートナー拡大のために、今月中にパートナー制度を整備し、共同マーケティング体制の確立など、サポートプログラムを用意。システムインテグレータなどに広くアピールし、パートナー企業を募っていく。
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