沖電気工業(篠塚勝正社長)は、情報分野と通信分野の融合を加速させる。このために今年度(2005年3月期)下期から組織を大幅に変更するための検討を開始した。情報と通信の融合により、ネットワークを核にしたシステム案件を増やしていく方針だ。すでに今年度初めに埼玉県蕨市にソフト開発の部門を集約。営業部門は情報と通信の枠を超えたビジネスに力を注いでいる。組織変更により、関係会社を含め沖電気グループで100人の人員を削減できる見込みという。

 篠塚社長は、「ブロードバンドの広がりとともに、情報分野と通信分野の境がなくなっている」としたうえで、こうした環境に対応していくため、「組織を刷新することが重要。情報と通信をさらに融合させる組織にする」ことを明らかにした。具体的な組織体制は今後詰めるが、「ネットワークインフラを基盤に付加価値ソリューションを提供できる体制を整える」ことにより、情報と通信の2分野をもつ強みをさらに生かしていく方針だ。

 最近では、VoIPに関するインフラ整備だけでビジネスを拡大する時代は終わり、構築したVoIPインフラを生かし活用までを提案するシステム案件を企業が求めているといわれている。顧客ニーズに適したアプリケーションを提供できる企業がシステム案件をさらに獲得できる構図だ。

 同社では、これまでに600人以上の人員をシフトすることで情報分野と通信分野の融合を図ってきた。今年度初めには埼玉県蕨市にシステムセンターを設置し、ソフトウェア部門を集約。営業部門では、各事業の枠組を超えたビジネス運営を進めている。しかし、「情報と通信の商習慣の違いなどで、完全に融合できない部分もある」(篠塚社長)と認めており、「昨年度で基盤作りは完了した。04年度からは、新たな成長フェーズとして安定収益を継続的に確保する」(同)と自信をみせる。事業領域の拡大を狙いとして組織変更に踏み切ることになる。

 また、事業融合は人員の削減にもつながる。同社では、関係会社を中心に組織変更までに100人の人員を削減し、人材の適正配置を進めていく計画だ。

 昨年度(04年3月期)の連結決算では、売上高が6542億円(前年度比11.7%増)と増収となり、営業利益216億円(前年度は13億円)、経常損益で124億円の黒字(同78億円の赤字)、最終損益で13億円の黒字(同65億円の赤字)と黒字転換を果たした。今年度通期の業績予想は、売上高が6800億円(前年度比3.9%増)、営業利益290億円(同34.2%増)、経常利益200億円(同60.5%増)、最終利益で前年度の7.5倍にあたる100億円を見込んでいる。

 今後の成長を維持していくためには、情報と通信の融合は不可欠としており、今年度下期からの組織改革で体制を固め、来年度からは一新した組織で事業拡大を図ることになる。