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東芝ソリューション 代理店販売を加速 他社ERPとの親和性武器に

2004/08/30 21:06

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

 東芝ソリューション(河村進介社長)は、人事給与パッケージの「ジェネラリスト」について、ビジネスパートナー経由での販売を加速させる。ジェネラリストは、これまで従業員数1万人以上の大手企業をメインターゲットとしてきたが、従業員数1万人以下の市場を本格的に開拓することを目的に、、、

 東芝ソリューション(河村進介社長)は、人事給与パッケージの「ジェネラリスト」について、ビジネスパートナー経由での販売を加速させる。ジェネラリストは、これまで従業員数1万人以上の大手企業をメインターゲットとしてきたが、従業員数1万人以下の市場を本格的に開拓することを目的に、ビジネスパートナーを活用した販売チャネルの拡充を図る。

 東芝ソリューションの自社開発による主力の人事給与パッケージであるジェネラリストの国内累計販売ライセンス数は約64万5000人分。国内労働人口に占めるシェアは約1%で、従業員数1万人以上の企業グループに限ると約3割のシェアに達するなど、大規模ユーザーが販売ターゲットの中心となっていた。今年10月からは従業員数10万人クラスの大手自動車メーカーでも順次稼働することがすでに決まっている。

 ジェネラリストの最小規模の稼働実績は従業員数250人からだが、実際は従業員数1000人以上の大企業が利用者数の9割を占めている。だが、国内企業の大半が中堅・中小企業であることから、同市場の開拓が大きな課題となっている。また、ジェネラリストを販売した実績を持つビジネスパートナーはまだ数社しかなく、今年度(2005年3月期)は、ライセンス販売数のうち約9割を東芝ソリューションによる直販が占める見込み。

 この課題を解決するため、中堅・中小企業への販売に強いビジネスパートナー経由での販売チャネルを確立し、同市場の開拓を本格化させる。まず手始めとして「ERP(統合基幹業務システム)ベンダーのビジネスパートナーなどの取り込みに力を入れる」(藤岡健太郎・ソリューション第三事業部ヒューマンリソースマネージメントソリューション部部長=写真)と、SAPやオラクルなどERPベンダーのビジネスパートナーにジェネラリストの販売を働きかける。その理由として「ジェネラリストは、SAPやオラクルなどのERPパッケージとの親和性が高く、当社でも、こうした既存ERPパッケージとジェネラリストとを組み合わせた提案を進めている」(同)と、ビジネスパートナーの既存ビジネスに適合しやすい特性があることを挙げる。

 また、人事給与パッケージは、年金など社会保険制度や税制など「財務会計パッケージよりも変更が頻繁にあり、国産化が求められている」(同)といい、既存ERP市場に対してジェネラリストを売り込んでいく余地は大いにあるという。来年度(06年3月期)は、ビジネスパートナー経由での販売量を全体の2割余りに増やす。東芝ソリューションによる直販は従業員数1万人以上の企業にターゲットを絞り込む。また、今年度末までをめどに、従業員向けのポータル機能やコールセンター、ナレッジ管理の各機能をジェネラリストのシリーズ商材として製品化する。人事給与だけのライセンス販売に加えて、こうした周辺機能のライセンスも併せて売り込むことで、販売単価をアップし、売り上げ全体の拡大を目指す。
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