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インフォテリア ウェブ構築ソフトで海外進出 10月、米国に現地法人を設立

2004/08/30 21:06

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

 インフォテリア(平野洋一郎社長)は、ウェブシステム構築用の主力ソフトウェア「アステリア」英語版の海外展開を進めるため、10月1日付で米カリフォルニア州サンマテオ市に現地法人を設立する。

 今年度(2005年3月期)は直販で米国企業に販売し、実績を確保したのちに、順次販路を広げるため、現地システムインテグレータ25社程度を目標にパートナー契約を交わす計画。同社は今後2年間で、米国内の企業100社に導入して、約4億円の売上高を目指す。米国で業績が上がれば、欧州や中国などへの進出も検討していく。

 アステリアは、日本国内で2年前から販売を開始。インターネット上の共通言語「XML」を利用し、企業間電子商取引(BtoB)やEAI(企業内アプリケーション統合)などのウェブシステムを構築するソフトで、国内では報道、金融などの業種を中心に約100社に納入している。英語版は、海外展開を視野に入れた1年前から開発を進めてきた。

 米国では、ウェブメソッドやティブコ、IBMなど、同様のソフトを取り扱う有力ベンダーが乱立するが、これらが「ソフトの価格が高く、大企業向けが主流」(平野社長)なのに対して、低価格をアピールすることで中堅・中小企業市場を開拓できるという。

 インフォテリアは2年前、企業にある既存メールサーバーを利用してXMLベースのシステム構築ができるソフト「アイメッセンジャー」を拡販するため、米国に現地法人を設立したが、業績が上がらず1年で撤退。直販主体でXMLベースのシステムが浸透していなかったのが原因だったため、今回の米国展開では、大半をチャネル販売する。今後2年間で日本国内とほぼ同数の25社程度の現地システムインテグレータと販売提携を結ぶ計画だ。

 米国での実績次第では、欧州の英語圏や中国、韓国などへ進出し、現在の国内売上高約10億円を、「数年で日本を含め世界で100億円以上を稼ぐまでに成長させ、経営基盤を固める」(平野社長)ことを狙う。アステリアだけでなく、SOHOや中小企業向けに現在開発中のクライアントのデータ統合ソフト「ミスト」(開発コードネーム)を世界展開することも検討中だ。
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