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日本オフィス・システム アウトソーシングビジネスを拡大 収益基盤の強化進める

2004/09/20 21:09

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 日本オフィス・システム(尾嵩社長)は、アウトソーシングビジネスの拡大に力を入れる。アウトソーシングのようなストックビジネスを拡大することで、景気変動に左右されない企業体質を構築するのが狙い。ストックビジネスの売上高に占める比率は昨年度(2003年12月期)は約34%だったが、今年度は中間期(04年1-6月期)の段階で約38%と拡大基調にある。通期でも引き続き順調に拡大する見通しという。

 ストックビジネス伸長の原動力となっているのはBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)で、今年度(04年12月期)の売上高全体に占めるBPO関連の売上高は前年度の約15%から5ポイント拡大して約20%に、金額では30億円に達する見込みだ。尾社長は、「BPOに対する需要は旺盛」としており、引き続きBPO関連の受注増加に手応えを感じている。

 ストックビジネスの比率が拡大したことで、単月ベースでの営業黒字の達成率が高まった。ストックビジネスの比率が売上高全体の約1割しかなかった97年度当時は、年間12か月のうち単月ベースでの営業黒字は4か月しかなく、残り8か月が営業赤字だった。

 昨年度(03年12月期)は営業黒字が8か月、営業赤字が4か月と大幅に改善。今年度は9か月の黒字、3か月の赤字で、通期の売上高は前年度比10%増の153億円、経常利益は同12%増の6億5000万円を見込む。

 システムインテグレータの多くは、顧客企業が中間決算月としている9月や本決算の3月末に収益が集中する傾向がある。だが、こうしたばらつきを是正して「経常的に安定した営業利益を出せるストックビジネスの拡充」(尾社長)を図った。これにより期末への収益の集中度合いが緩和され、年間を通じて安定的な黒字を確保できる収益基盤の強化を達成した。

 一方、ストックビジネスに対する単発型のビジネスも企業のIT投資回復で堅調に伸びている。年内には中堅流通サービス業で、ERP(統合基幹業務システム)ベンダーのピープルソフト製の物流管理システムを国内で初めて稼働させる予定。

 このシステムは外注先も含め計約70人体制で構築した大型案件。「稼働に成功すれば、国内で唯一ピープルソフトの物流管理システムの導入実績があるシステムインテグレータになる」(同)と、来年度以降、この強みを生かして他の顧客企業への横展開に力を入れる方針だ。

 ERP関連ビジネスの主力となっているSAP関連のビジネスと並んで、ピープルソフト関連のビジネスは「大いに期待できる」(同)と、ERP導入・構築などに代表される単発型のビジネスの拡大にも力を入れる。ストックビジネスの比率を高めながら単発型についても積極的に受注を目指す。
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