ニュース

ISS アプライアンスの機能を拡張 年内に数機種投入

2004/09/20 21:09

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 インターネットセキュリティシステムズ(ISS、林界宏社長)は、セキュリティアプライアンス製品「プロベンティアシリーズ」の機能拡張を急ぐ。年内に、大企業向けと中小規模事業所向けそれぞれのアプライアンスシリーズの機能拡張モデルを数機種リリースする計画だ。顧客の要望が多い機能を早急に搭載することで、「大企業を中心に企業の情報セキュリティ投資が復活している」市場でのシェア拡大に拍車をかける。

 松崎義雄・テクニカルサービス部兼経営企画部シニアディレクターは、「最近2-3年、落ち込んでいた大企業のセキュリティ投資に回復の兆しがみえてきた」としており、「セキュリティアプライアンスの買い替え・買い増し案件が増えてきた」と続ける。

 中堅・中小企業のセキュリティ投資は活発化しているとも言われているが、大企業の外部アタック対策製品の市場飽和感は強く、IDS(不正侵入検知)システムを主軸製品に置いているISSも苦戦を強いられていた。

 だが、今年度(2004年12月期)の6月中間決算では、セキュリティ製品販売やサービスなど、ほぼすべてのセグメントで2ケタ成長を記録。製品販売事業は、前年同期比21%増の9億1600万円と大幅に伸長した。

 好調な要因として挙げられるのが、ISSの中心顧客である大企業向けにセキュリティアプライアンス販売が好調なこと。

 特に本社で利用する高機能で高価なアプライアンス製品を買い替える需要に加え、これまでセキュリティ対策が手薄だった小規模な支店や営業所などへの新規の製品導入が急速に進んでいることも寄与しているという。

 ISSでは、需要拡大を受けて大企業向けIPS(不正侵入防御システム)機能のセキュリティアプライアンスシリーズ「プロベンティアGシリーズ」の機能拡張モデルを年内にリリースする。ネットワークの転送レートが、これまでは最高で毎秒1.2ギガビットだったが、同2ギガビットまで高速化したモデルを発売する計画だ。

 また、中小企業や大企業の小規模事業所向けの、複数の機能を盛り込んだ統合型アプライアンス製品「プロベンティアMシリーズ」もファイアウォールのポート数を増やすほか、アプライアンスに万が一不具合が起きた場合の帯域確保機能を加えたモデルを年内に投入する。

 松崎シニアディレクターは、「中堅・中小企業のセキュリティ投資は来年から顕在化してくると見ている。今年は大企業への新モデルの導入を促進していき、来年に中堅・中小企業への販売促進を活発化させていく」としており、まずは大企業を中心に拡販を図る。
  • 1