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クレオ ハガキ作成ソフトの法人ビジネスを本格化 住所録機能を顧客管理に応用も

2004/09/20 21:09

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 クレオ(秋山雅幸社長)は、ハガキ作成ソフト「筆まめ」の企業向け販売の強化に乗り出す。企業向け販売は、これまでライセンス販売を中心に年間平均で6000-8000クライアントで推移していた。今年5月に、企業のネットワークに対応したクライアント/サーバー(C/S)型の筆まめを発売し、今まで以上にクライアント数増加に注力する。最近では、システムインテグレーション事業との連携で、筆まめの住所録機能の販売にも着手。百貨店の顧客データ管理に住所録機能を導入するという大型案件も出てきた。

 クレオは、住所入力および管理、宛名印刷などが行える「筆まめ」をビジネス用途にカスタマイズして販売している。個人向けパッケージソフトとして販売している同製品を企業向けにも拡販を図っているのは、「筆まめ自体のビジネスを伸ばすことに加え、企業向けのシステムインテグレーション事業の拡大につなげる」(大森俊樹・執行役員コミュニケーション事業部長)ことが狙い。「ソフトウェア開発は、個人向けと企業向けという境界線がなくなってきている。筆まめは、その代表的な製品」と、個人市場と法人市場の両方で販売していくことが最適と判断した。

 昨年度(2004年3月期)まで企業向けの筆まめビジネスは、ソフトウェア単体のライセンス販売が中心だった。今年度は、企業のネットワークに対応した「筆まめネットワーク版」を5月に発売。同製品は、筆まめの全機能をファイルサーバーにインストールし、クライアントパソコンには筆まめの動作に必要なファイルとフォントをセットアップするだけで済む。

 同社では、人事・給与などのシステム構築を手がけるCBMS事業部との連携を強化し、顧客データの管理を必要とする企業に対し、筆まめの住所録機能をシステム提案の1つとして提供している。個人向けビジネスと法人向けビジネスを徐々に融合させることで、これまで獲得できなかったシステム案件や新規顧客の開拓などビジネス領域を広げていく方針。

 最近は、百貨店の顧客データ管理に筆まめの住所録を採用するというシステム案件を受注した。この百貨店では、住所録機能を導入したことに加え、会員顧客に対し、会員向けサイトなどで筆まめの住所録機能のアドオンソフトとして無償で配布。配送サービスの付加価値サービスとして提供していく。

 百貨店にとっては、顧客が送りたい人の住所を筆まめの住所録で入力して送信することが業務効率化につながる。百貨店の顧客にとっては、わざわざ来店しなくても品物を送る手配が済むというメリットがある。

 筆まめの住所録機能は、ビジネスマンを中心に、ハガキを作成する以外でも取引先データを管理する際に活用するといったユーザーが多い。同社では、個人ユーザーの声を吸い上げ、企業向けのビジネスにも生かしていく考えだ。
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